米プロバスケットボールNBAウィザーズの八村塁選手(23)が、国内や海外の女子留学生を支援する活動などに取り組む一般社団法人「CWAJ(カレッジ・ウイメンズ・アソシエーション・オブ・ジャパン)」(東京)に大正製薬と共同で100万円を超える寄付を贈った。八村選手の意向を受け、日本から海外の大学院に留学する女性の奨学金に充てられる予定だ。CWAJ広報の矢倉尚子さんは「ご自分で私たちの活動を見つけ『女性の活躍を支援したい』と明言してくださった」と驚きを込めて語り「本当にうれしく、大きな意味のあること」と感謝を述べた。

 八村選手は共同通信の書面取材に応じ、支援のきっかけとなった、自身を大きな愛情で育んだ母や祖母への敬意や女性活躍への思いを語った。(共同通信=山脇明子)

 ▽とても強い人

 八村選手は西アフリカ・ベナン出身の父と日本人の母を持つ4人きょうだいの長男として、富山県で育った。幼少期は外見の違いで弟と2人の妹がいじめられると、それを守る立場だった。

 ―高校は富山を離れて宮城県へ、その後米国の大学へ進学。ずっと寮生活だったが、常に見守ってくれた母の存在について。

 「富山で4人のハーフの子どもを育てるのは、母にとって非常に大変なことだったと思います。母はとても強い人で、僕たちきょうだいをたくさんの愛情で育ててくれました。周りの方々にいろいろ言われることもあったかもしれませんが、僕らきょうだいがハーフであることを誇りに思うよう育ててくれました」

 ▽最も重要な人物

 ―小さい時からかわいがってくれた祖母は特別な存在。苦手なテレビのインタビューも「おばあちゃんが見てくれるから」との思いで受けてきた。

 「祖母は僕の人生において最も重要な人物の一人です。僕が立派な人間になれるように後押ししてくれるし、困難な時にも前向きにさせてくれます」

 ▽誰もが機会を

 ―子どもがいても第一線で活躍する女性を米国で数多く見てきた。その姿は「好きすぎる」と語っている妹たちの将来像にも重なるのでは。

 「女性が活躍し、目標や夢に向かって努力している姿は素晴らしいと思います。僕には2人の妹がいますが、何があっても、どんな困難があっても自身の夢を実現してほしいと思っています」

 ―女性に活躍の機会を与える重要性を自ら発信することについて、どんな思いを持っているか。

 「(女性活躍の重要性を)日本でもっと認識してもらいたいですが、日本だけではなく世界に向けても、こういったことを発言できるようになりたいと思っています。誰もが平等な機会を得るべきだと思いますし、世界中の女性がチャンスに値すると信じています」

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 八村 塁(はちむら・るい) 西アフリカのベナン出身の父と日本人の母の間に生まれた。富山・奥田中時代にバスケットボールを始め、宮城・明成高時代にU―17(17歳以下)世界選手権で得点王。強豪の米ゴンザガ大へ進学し、3年目の2018〜19年シーズンに全米大学選手権8強に導くと、19年6月のドラフトで1巡目9位の高評価でウィザーズに指名された。19年ワールドカップ(W杯)日本代表。ポジションはフォワード。203センチ、104キロ。