2023年3月、八戸市の病院で入院患者を歯ブラシで突き刺して殺害したとして、殺人の罪に問われている男の裁判員裁判が開かれ、検察側が懲役18年を求刑しました。一方弁護側は、無罪を主張しています。

起訴内容などによりますと、本籍が五戸町の無職、佐々木人志被告は、2023年3月、八戸市小中野のみちのく記念病院で当時73歳だった髙橋生悦さんの顔面を歯ブラシで複数回突き刺すなどして殺害した罪に問われています。

佐々木被告は起訴内容を全面的に認めています。

17日に青森地裁で開かれた論告求刑公判で検察側は、人気がなくなるのを見計らい、人体の重要な部位を攻撃していることは「正常な心理状態で犯行に及んでいた」とし、責任能力の有無には影響しないとしました。

そして、遺族に対する謝罪がないことなどから懲役18年を求刑しました。

一方弁護側は、佐々木被告は事件当時、心神喪失状態であり、その影響で善悪を判断する能力や責任能力は欠けていたとして、必要なのは処罰ではなく治療だとし、無罪を主張しました。

判決は、7月1日に言い渡される予定です。