【独自取材】大阪“地面師グループ”の巧妙な手口 70代女性社長の免許証を偽造…暴力団員や中国人に依頼か 被害額は14億円超
ABEMA TIMES6/17(火)6:50

大阪・ミナミの繁華街で、いわゆる「地面師」による詐欺事件が起きた。地面師グループによって所有者が変更され、ビル3棟を売買。購入しようとした不動産会社の2社が、あわせて14億5000万円を騙し取られた。
【映像】地面師グループ指示役の福田容疑者
ミナミで不動産仲介業を営む遠山裕介氏は、地面師詐欺に利用された空きビルについて「元々スナック店舗ビル。20年くらいは空いている」と説明する。地元の不動産関係者には知られたビルだったが、「『売りに出ない』と、ずっと昔から言われていた」という。売値は10億円でも安いそうで「この一等地であれば価値がある」と語る。
そんな優良物件が、どうして詐欺に使われたのか。不動産取引の場合、買い主側が主に確認するのは、「土地所有者の運転免許証・印鑑証明書」「不動産の登記簿謄本」「法人の登記簿謄本」。遠山氏は「印鑑証明書は契約書のハンコと間違いないか照らし合わせる」と話す。
そして本人確認として欠かせないのが、運転免許証だ。「最初にチェックするのは(買い主側の)仲介業者や司法書士。機械ではなく人の目で住所と名前、表裏確認する。機械でやっているところは見たことがない」。
過去には、2013年にアパグループの関連会社が12億6000万円の被害にあった。2017年に積水ハウスが約55億円の被害を受けた事件は、これをモチーフにしたドラマも話題になった。
今回の地面師グループの手口は巧妙だった。詐欺に利用したビル3棟の所有者は、70代の女性でビルを管理する同族会社の社長だった。地面師グループは、この女性社長に知られることなく社長から外し、犯行グループの1人が新たに社長に就任し、土地を売りさばくというものだった。「法人の代表者の名前を変えている。疑いの余地がない。かなり巧妙だ」(遠山氏)。
指示役とされるのが福田裕容疑者(52)。女性社長を交代させるために、会社の登記変更を勝手に行う。それには社長の住民票が必要だが、実行役の粂陵平容疑者(24)が女性社長の債権者を装い、ウソの借用書を見せて住民票を手に入れた。
登記変更には、女性社長の印鑑証明が必須となる。そこで勝手に印鑑登録も変更した。変更には身分証明書、つまり運転免許証が必要となるが、地面師たちは先に入手した女性社長の住民票を元に、運転免許証を偽造。免許証には、なりすまし役の70代の女を使った。顔が本人とそっくりだったという。こうして印鑑登録の変更に成功した。
そして、粂容疑者を新社長とする書類を大阪法務局に提出し、ウソの登記が終了した。地面師グループは、不動産会社を経営する男性2人に架空の売却話を持ちかけ、14億5000万円をだまし取った疑いがもたれている。遠山氏は「(騙されたのは)中国系と外資系の不動産会社だと噂では聞いている。買う側も誰かに取られると急いでいた面があると思う。」と推測する。
偽造された女性社長の免許証は、なぜバレなかったのか。元暴力団員のB氏は、「ある“会社”の人間に(偽造を)頼んだことがある。現役の暴力団で、その事務所を“会社”と呼ぶ。中国人が何に関しても早く、完璧でバレない」と証言する。
同じ傘下の暴力団員や中国人に、「偽造免許証」を依頼していたという。「自分が頼んだ時は、3日で終わらせてくれた。証明写真と(記載する)詳細の情報。お金は『2〜3万円でいい』と。一度『この出来どう?』と自慢してきて、『全然わからんやん』って。大したもん。触った感じも分厚さも一緒だ」(B氏)。今回の地面師についても、「暴力団とつながっている」可能性を指摘した。
遠山氏は、もうひとつ“見抜けない理由”を語る。「偽造免許証を触ったことがないから、見てわかる物なのか(という不安は)正直ある」。
今回騙し取られた14億5000万円は、どうなってしまうのか。実際に被害を受けたのは、それを支払った不動産仲介業者だ。AZ MORE国際法律事務所 大阪事務所の中川みち子弁護士は、「不法契約なので、賠償請求を行うことで、返金を求めるか差し押さえなどが可能になるが、全額が戻ってくるかは状況次第」との見方を示す。
遠山氏が「地面師詐欺を見抜く3つのポイント」として、「現金で支払いを求めて来る」「借金を返済したいなどの理由で、明日あさってと取引を焦らせてくる」「相続で揉めているなど『身内トラブル』を装い、会える人を限定してくる」といった点を注意喚起した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)











