小泉進次郎氏の“カンペ使用”で波紋…専門家が指摘するスティーブ・ジョブズの“カンペ使用”との違い
ABEMA TIMES10/2(木)10:15

自民党総裁選が始まり、各地で討論会や演説会が行われている。そんな中、小泉進次郎農水大臣が、手元の資料を見ながら論戦する姿に、記者が「そんなに慎重すぎてどうする」と質問。
【映像】カンペを見ながら論戦する様子(実際の映像)
小泉氏は「責任ある立場の者は、適切な慎重さは兼ね備えるべき。最終的にいかに正確に私の思いが伝えられるか、そこに私は重きを置いたつもりだ」と答えた。
政治家は議場や会見で、原稿や資料を読むことが多い。発言には責任がともなうが、自分の言葉も必要とされる。いまや「言語化」は、2024年の新語大賞で大賞を受賞するなど、現代社会で重要視されている。一方で、それに萎縮する人や、SNSでの炎上を恐れる人も。『ABEMA Prime』では識者とともに、それほどまでに言語化が必要なのか考えた。
■「100点の言葉を出すことが言語化ではない」

小泉進次郎氏のカンペ使用をめぐり、一般社団法人教育コミュニケーション協会代表で言語化コンサルタントの木暮太一氏は「何を伝えたいかが見えていればいい」とする。「スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での演説が称賛されるが、あれも暗記しているのではなく、読んでいる。あれだけ長いものを丸暗記できないし、する必要もないが、みんなが感動するのは『言いたいことをそのまま言葉にしているから』ではないか。小泉氏は『本当にそれを言いたいのか』が問われてしまった」。
続けて、「話す側が100%明確にする必要はない」「聞いている側が、相手の気持ちや考え方を整理することも大事」とした上で、「言語化とは、互いに歩み寄ろうとすることであり、100点の言葉を出すことではない。人によって定義は違うが、そこを共通理解として持っておくと、優しい社会になるだろう」と訴えた。
タレントの山崎怜奈が、言語化が問われる現代社会を考察する。「今の政治家は、昔よりも過敏に反応している。少しでも誤った言い回しや、発言の齟齬(そご)があると、誹謗中傷やネタになってしまう。『事前に整えた言葉で返そう』となる気持ちも理解できる」。
■言語化ブームにうんざり…

木暮氏は、言語化の時代において、「言語化=明確化」と考える。言葉で伝えないと伝わらない時代になり、「頭の中にある5%しか明確に出来ないことを10%に上げられれば提案の質が2倍になる」とした。また、会社での後輩育成も「背中を見せる」は通用しない時代になり、言語化できないと「上司が教えてくれない」と辞めてしまうと説明する。
そんな言語化至上主義にうんざりしているのが、臨床心理士のサトウさん(仮名)だ。「誰もが言語化できるわけではない。自分の考えを咀嚼できれば、病む人も減るだろう。言語化を求める上で、インフレしていく懸念もある。『うまく言葉にできる人の方が正しい』という風潮になると、人をだます人も出てくる。自分の納得がいくまで、相手に説明させ続けるモラハラ的なこともできるため、どこかでとどめておく必要がある」。
ギャルタレントのあおちゃんぺは、「相手に伝わるなら、スラスラ話せなくてもいい。小泉氏のような場合は、『伝わること』に加えて『心を動かすこと』も重要だが、流ちょうに話すことと人の心を動かすことは直結しない。たどたどしくても、自分の言葉で伝えようとする人には好感を持ち、心が動かされる。“言語化”が速度で決まるのは疑問だ」と考えを示した。
(『ABEMA Prime』より)












