ドジャース大谷翔平投手が、また一つ上のレベルで打ちまくっている。前日の試合を終えた時点で、21試合を消化し打率.360。もともとアベレージを残す打ち方ではなく、溢れるパワーでフルスイングしてきたタイプだが、メジャートップタイの31安打で早くも自身初の首位打者やイチロー以来の最多安打を期待する声も出るほどだ。自己ワーストとなる開幕から40打席ノーアーチという出だしから、急に何が変わったのか。データで見ると、待望の「移籍1号」から打球の質がまるで変わっていた。

【映像】大谷、復活のきっかけをつかんだシーズン1号

 大谷の打撃を語る上で、よく出てくるワードが「打球が上がっているか」「角度がついているか」だ。メジャートップクラスの打球速度を誇るだけに、ゴロでも野手の正面さえ突かなければあっという間に抜けていく。ただし調子が落ちると途端に引っ掛けたようなセカンドゴロ、ファーストゴロが続出する。

 過去、大谷の打球内容を見ると、ゴロの割合が2021年を除き他の5年は全て40%以上。残りがフライ・ライナーで、それとは別にポップフライ率が3〜4%だ。今季、初アーチが出るまでのフライ・ライナー率は53.8%。例年並みだった。

 ところが1号を契機に、大谷の打球は強く高く飛び始めた。初本塁打後、41回打球が飛び、フライ・ライナーは29回と、実に70.7%まで跳ね上がった。今季トータルでも、ゴロ率は29.6%と最低で初めて30%以下、フライ・ライナー率は66.2%にまで上昇している。

 強い打球を適正な角度で飛ばす。メジャーで重要視される「バレル」の率もどんどん高まっていく大谷。今年はヒット、ホームランをどれだけ打つか。
(データ協力:データスタジアム)