【AFP=時事】ロシア軍上層部を批判し、ウクライナ侵攻での死傷者の多さへの懸念を表明して昨年解任されたロシア南部軍管区第58軍の元司令官イワン・ポポフ少将が詐欺容疑で逮捕された。国営ロシア通信が21日、伝えた。

 ポポフ少将は昨年7月、ロシア側に「多数の死傷者」が出ていると主張し、同国軍の問題点を指摘する音声メッセージを発表した後、ウクライナ南部に駐留する第58軍の司令官を解任された。

 イワン・ポポフ容疑者は昨年7月、ウクライナ侵攻でロシア軍側に「大量の死傷者」が出ていると指摘し、軍を批判する音声メッセージを発表。これが拡散された後、解任されていた。

 ロシア通信は、軍事裁判所が「大規模な詐欺」の疑いでポポフ少将を2か月にわたり勾留していると報じた。

 民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が昨年、軍上層部に対する武装反乱を起こして以来、ロシア国防省は、軍内部からの批判に対して極めて敏感になっている。

 ロシア大統領府(クレムリン)はワグネルの反乱以降、国防省の人事を刷新している。セルゲイ・ショイグ元国防相を交代させた他、収賄容疑で同省のチムール・イワノフ 国防次官とユーリ・クズネツォフ 人事総局長を逮捕した。 【翻訳編集】AFPBB News