和歌山県田辺市上芳養で、梅の収穫時期限定の弁当店が人気を集めている。忙しい梅農家の昼食はもちろん、おやつの菓子や夕食の総菜なども販売。収穫作業のピークはこれからで、「おいしい援軍」の需要はさらに高まりそうだ。

 昨年、上芳養にオープンしたフランス料理店「キャラバンサライ」は、梅の収穫時期は休業して、梅農家のための弁当店として営業している。
 6月から県道沿いの空き家を活用し、持ち帰り専門店を臨時オープン。予約制の弁当、総菜やコッペパン、菓子などを販売している。上芳養地区限定で配達もしている。
 昨年の販売は1日平均40食ほど、ピーク時でも80食ほどだった。今年はすっかり定着し、先週末は約100食の注文があった。店を構えたことで、新規客が作業の行き帰りに立ち寄る割合も増えたという。地区にコインランドリーがないため、コイン式の乾燥機も導入した。
 シェフの更井亮介さん(31)は調理、配達を手掛け、梅の収穫もする。「集落は広く、配達に1時間半くらいはかかる。大変だけど、地元の人からの『助かるよ』の声が励みになる。地区の一員として貢献したい」と話している。
 「創作ダイニング饗(きょう)」(田辺市天神崎)も上芳養の県道沿いで弁当の出張販売をしている。毎日8〜9種類の弁当のほか、自社製のレトルトカレーなどを販売。配達も手掛けている。
 出張販売は昨年から始めた。5月末から各戸にチラシを配ってPR。常連客も増えているという。「1度に4〜5個ほど買ってくれる方が多い。翌日の予約もしてもらえる。当日にこの場で選んでもらえるメニューも豊富。午後からの活力にしてもらいたい」と話している。
 地元の梅農家によると、こうした弁当販売がないころは、作業の合間にみなべ町のスーパーまで買い出しに行っていたという。「ピーク時は夜中まで仕事をする。ご飯を用意する余裕もない。こうした店が出てきて本当に助かっている」と話した。
 いずれの店も6月末から7月上旬ごろまで営業する。