和歌山県田辺市古尾の八立稲(やたちね)神社で3日、人形の焼納供養があった。1年間に持ち込まれた約5千体の人形が炎に包まれた。
 神社の総代によると、昭和の中頃、神社裏に捨てられていた人形を燃やして供養したことが起源で、毎年営まれている。御坊市など遠方の住民からも供養の依頼があったという。
 ひな人形や五月人形が並ぶ境内で神事があり、総代らが人形の周りにお神酒や塩などをかけた後、火を放つと勢いよく燃え上がった。
 上富田町の女性(63)は「両親が孫のためにと買ってくれたひな人形を供養した。おかげさまで長女は今も元気に過ごせている。亡くなった両親に感謝したい」と話し、焼納される人形に手を合わせていた。
 神社では毎月1日と15日に焼納する人形を受け付けている。問い合わせは龍田良子総代(090・5128・4691)へ。