和歌山県串本町二色の田んぼで、一足早く田植えが始まった。地元の坂本渡さん(70)が、台風の多い時季を避けて収穫できるよう毎年早めに栽培を開始。坂本さんの米は学校給食にも活用されている。
 学校給食で使う米を生産している「町地産地消生産者組合」の副組合長を務める坂本さんは、二色地区の約2・7ヘクタールで栽培している。昨年は生産した約5トンの半分ほどが給食に活用された。組合全体では13・5トンを出荷。子どもが少なくなったことや生産者の高齢化などで出荷量は以前に比べて減少しているという。
 3月上旬から田植えに向けた準備を始め、今月6日から田植えを始めた。10日は午前7時半ごろから田植え機に乗って作業を進め、夕方までに50アールに苗を植えるという。天候にもよるが15日ごろに終える予定。
 坂本さんは「子どもたちに安全安心な米を食べてもらうことがやりがいになっている」と話している。
 収穫は8月上旬を見込んでいる。