和歌山県は6月30日から、白浜町にある白良浜海水浴場を水上オートバイの規制水域に指定する予定だ。海水浴客の安全を確保することなどが目的。指定されると、海水浴場の開設期間外でも水上オートバイは乗り入れできない。条例に違反したら5万円以下の過料が科される場合がある。

 「県水上オートバイ航行の適正化に関する条例」に基づき、海水浴場への乗り入れや航行を禁止する予定。範囲は、波打ち際から沖まで約225メートル、長さが約550メートル。県内では片男波海水浴場(和歌山市)に続いて2例目となる。
 この条例は、兵庫県明石市で2021年に水上オートバイでの危険な行為が、大きく報道され社会問題になったことなどを受け、昨年4月から施行している。
 町へは、海水浴の開設期間を終えた9月以降、水上オートバイが海水浴場内に入り、遊泳者近くを航行する様子を目撃した町民から、危険性を指摘する声が届いていた。騒音に対する苦情もあった。
 町民の声を受け、町は県に対し、規制水域の指定を提案。県は水上オートバイ関係者らの意見も聞いた上で、町と協議し、正式に決定する。
 町内の無職男性は「これまで何度も危険な場面を見てきた。重大な事故が起きる前に規制するのは良いことだと思う」と話した。
 田辺海上保安部によると、昨年度、白浜周辺の海域で発生した水上オートバイの事故は1件。6月に白良浜沖でエンジントラブルがあり、運航不能となった。本年度は今月4日、みなべ町の海で同じくエンジントラブルによる運航不能が1件発生している。