和歌山県田辺市龍神村のさまざまな分野から集まった住民有志が10日、地域の南部高校龍神分校(全校生徒28人)の存続に向けて、新たに「龍神分校を支援する会(龍人会)」を立ち上げた。地域を挙げて龍神分校を支援することを目的としており、喫緊の課題として老朽化している寮への対応を話し合う。
 龍神分校の存続と発展に向けて、生徒数の増加や、より良い受け入れ環境の整備などに取り組むため、龍神分校同窓会が発起人となって発足した。龍神分校で設立会があり、役員メンバーとして龍神村の商工会や文化協会、女性会などの会長や、龍神分校の同窓会や野球部の後援会やOB会の会長らが出席した。
 冒頭で、同窓会会長の吉本志朗さん(72)が発起人の一人としてあいさつし、「龍神分校はいろいろな場面で、住民を勇気づけてくれる大きな存在。入学生の増加を維持していくためには、私たち受け入れ側も、いろいろと取り組んでいかなければならない」と述べた。老朽化している寮の整備が喫緊の課題であることに触れ「地元も何らかの行動を起こすべく、新しい組織づくりの準備を進めてきた」と説明。出席者の賛同を得て、発足を宣言した。
 その後、会長や副会長、常任理事、会計など「龍人会」の役員を選出した。会長に就任した龍神分校野球部後援会会長の鈴木直孝さん(77)は「一生懸命取り組んでいきたい。皆さんにもそれぞれの立場で、ぜひともご協力をお願いしたい」と語った。