和歌山県みなべ町は、災害時のトイレ確保のため「トイレトラック」を本年度中に導入する方針を固めた。

 16日開会の町議会5月定例会に提案した本年度一般会計補正予算案に、防災対策費として購入費用2700万円を盛り込んでいる。
 能登半島地震では広範囲で断水が起き、下水道施設が被害を受けてトイレの確保が課題になった。また、近い将来南海トラフ地震の発生が予想される中、災害時の避難者の健康維持や衛生対策を図る上で、トイレの確保は重要な課題となる。トイレトラックは、トイレ不足が顕著な避難所などに自走して移動できる。
 導入を予定しているのは3トントラックタイプ1台で、トイレ部分の長さは約5メートル、幅約2・1メートル、高さ約1・8メートル。水洗で洋式の個室トイレ4室のほか、オストメイト対応で電動車いすのリフトやおむつ交換台を備えた多機能トイレが1室ある。
 水洗用のタンクは760リットル、汚物タンクは1060リットルの容量があり、約千回使える。室内や入り口を照らす電気確保などのためのソーラーパネルなども備えている。
 総務課消防防災室は「もしもの場合の町民の安心につなげたい。災害時のトイレの啓発を含めて、普段からイベントなどでも使っていきたい」と話している。
■補正予算案など提案 みなべ町議会開会
 みなべ町議会の5月定例会が16日、開会した。町は、本年度の一般会計補正予算案(補正後の総額88億5614万4千円)など議案5件と専決処分の承認3件、報告3件を提出した。会期は27日まで。
 補正予算案の主な内容は、防災対策として3トントラックタイプの「トイレトラック」の購入(2700万円)など。
 一般質問は24日の予定。議案審議は最終日の27日。