和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」でバンドウイルカの赤ちゃんが2年ぶりに1頭誕生した。公開時期は未定。
 施設によると、誕生したのは9日午後4時21分。性別は不明。推定で、体長1・2メートル、体重20キロ。母親は子育て経験があり、落ち着いた様子で赤ちゃんに寄り添って世話をしており、授乳行動も確認できた。
 バンドウイルカの赤ちゃんは、母親を含む雌の群れの中で行動し、周りのイルカが子育てをサポートする。出産、子育ての経験のないイルカは、子育ての様子を観察して学習する。
 バンドウイルカは、世界中の温帯―亜熱帯に生息。妊娠期間は約12カ月。寿命は50年程度。体長は2・5〜3・8メートル、体重は200〜400キロになる。
 施設では16日現在、バンドウイルカ28頭、カマイルカ11頭、オキゴンドウ3頭、ハナゴンドウ3頭の計45頭の鯨類を飼育している。
 鯨類の繁殖は流死産が多く、正常に出産した場合でも授乳不良などで順調な育成に至らない場合が多い。そのため施設では、2016年12月に鯨類繁殖プロジェクトチームを結成し、出生後の健全育成などに取り組んでいる。