太平洋側を東に進む低気圧や前線の影響で、18日の和歌山県の紀南地方は大荒れとなった。各地でまとまった雨が降り、田辺市と上富田町は一時、住民に避難指示を出した。
 和歌山地方気象台によると、西日本から東日本の南岸に前線が延び、その上を低気圧が発達しながら東北東へ進んだ。低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になったため、各地で雨が強まったという。
 降り始めから18日午前11時までの紀南の積算雨量は、護摩壇山(田辺市)が186・5ミリで最も多かった。次いで新宮(新宮市)147・5ミリ▽本宮(田辺市)147ミリ▽栗栖川(同)と色川(那智勝浦町)146ミリ▽西川(古座川町)145・5ミリ―など。
 時間雨量も護摩壇山で45ミリを観測したのをはじめ、栗栖川35ミリ▽南紀白浜(白浜町)34・5ミリ▽本宮34ミリ▽龍神(田辺市)31・5ミリ▽新宮と西川で30・5ミリ―という激しい雨が降った。
 雨の影響で、日本航空の白浜―羽田(東京)は18日午前の便が欠航した。
 JR西日本によると、田辺市の紀伊新庄駅と上富田町の朝来駅の間で倒竹や倒木を確認。特急などの運転を一時見合わせ、約350人に影響が出た。
 田辺市稲成町の県道上富田南部線では崩落があり、18日正午現在、通行止めになっている。迂回(うかい)路は国道42号、県道田辺龍神線、県道秋津川田辺線。