大麻由来のCBD「グリーンラッシュ」、日本への影響は...

大麻由来のCBD「グリーンラッシュ」、日本への影響は...

睡眠改善やリラクゼーション効果で密かなブームとなっている大麻由来の「CBD」製品。

大麻草に含まれる生理活性物質「カンナビノイド」の一つである「カンナビジオール(CBD)」を含むCBDオイルや電子タバコ用CBDリキッド、さらにはCBDローションやCBDクリームなどのスキンケア・ボディケア製品など、国内でもCBD製品を店頭やネット上で見かけるようになった。

西部開拓時代のようなアメリカCBD製品市場

日本国内ではCBD製品の存在感はまだ低いが、アメリカでは今年1月から「ヘンプ(hemp)」と呼ばれる産業用大麻草の商業栽培が全米で解禁となったことに伴い、ヘンプ由来のCBD製品も連邦レベルで規制対象外となった。これを受け、アメリカのCBD市場は19世紀の西部開拓時代の「ゴールドラッシュ」になぞらえて「グリーンラッシュ」と呼ばれる勢いで爆発的に拡大している。その陰で、CBDに関する消費者の誤解や混乱が相当な規模で発生していることが、10月28日に食料品製造業者協会(GMA)が発表した消費者調査で明らかになった。

大麻草の花穂や葉には、やはりカンナビノイドの一つでマリファナがもたらす酩酊感や多幸感のもととなる成分である「テトラヒドロカンナビノール(THC)」が含まれている。CBDにはTHCのような精神作用は無いとされているが、アメリカではその原料となるヘンプには乾燥重量ベースで0.3%以下のTHC含有が認められている。このため、アメリカで市販されるヘンプ由来の製品には少量のTHCを含むものもある。だが、医薬品やサプリメントのような効能表記を伴う製品でなければ連邦食品医薬品局(FDA)の規制・監督の対象外とされたことにより、今回の調査を実施したGMAは、CBD製品市場が無秩序という意味でも西部開拓時代のような状況だと指摘している。

回答者の39%がCBDをマリファナの別称だと勘違い

調査では、CBDをマリファナの別称だと勘違いした回答者が39%にのぼるなど、成分としてのCBDやCBD製品に関する基本的な知識を持たない消費者が多く存在することが判明。CBD製品を使用する理由としては、鎮痛(52%)、ストレス・不安の軽減(50%)、睡眠改善(43%)が上位を占めた一方、CBDやTHCを含む医薬品としてはアメリカでも今のところ英GWファーマシューティカルズ社が開発した抗てんかん薬「エピディオレックス(Epidiolex)」1種類しか承認されていないにもかかわらず、回答者の21%ががん治療関連の症状改善や神経障害の緩和など、医薬効果に期待して市販のCBD製品を使用したことも明らかになった。

GMAは特に、回答者の76%がCBD製品は連邦政府による全国的な規制・監督下にあると誤解していた一方、実際は州政府レベルでの不統一な基準のもとでパッチワーク的な規制・監督しかされていないことを知ると67%が深刻な懸念を示したことを重視。連邦政府の統一基準に基づく監督や規制の必要性を訴えるとともに、食品製造業界を代表する団体としてCBD製品の安全基準の明確化など消費者保護のための積極的な活動を行うことを宣言した。

アメリカ以上の誤解や混乱が広がる可能性のある日本市場

日本では麻薬及び向精神薬取締法により違法成分として規制されているTHCは、大麻草の花穂と葉には含まれる一方で成熟した茎と種子には含まれないとされている。THCを含まず、茎または種子に由来する大麻製品であれば大麻取締法でも規制対象外のため合法だが、国内では大麻イコール「マリファナ・違法」というイメージが定着していることに加え、医療用大麻であっても基礎研究や臨床応用が厳しく規制されてきた。このため今後CBDに関しても市場の拡大とともに「本家」アメリカ以上の誤解や混乱が広がる可能性がある。

折しも10月23日にはオーストラリアのCBD製品大手Elixinol Global社が、日本法人であるエリクシノール株式会社経由で販売している製品に茎と種子以外の部位から抽出されたCBDが含まれていた可能性があるとして、調査のため日本国内での一時出荷停止を発表。同社の株価は急落した。THC含有の可能性への言及はないが、大麻に関して独特な規制事情や情報不足問題を抱える日本市場に対し、グローバル上場企業ならではの情報公開や危機管理措置を講じたことが、結果的にはCBDに対する意識啓発の一助になるという見方もできるかもしれない。今後もCBD先進国の企業・団体や政府機関が発信する情報や動向には注視が必要だ。

【参考】

THE URGENT NEED FOR CBD CLARITY
食料品製造業者協会(GMA)CBD消費者調査レポート
https://reimagine.gmaonline.org/wp-content/uploads/2019/10/TheUrgentNeedforCBDClarity.pdf

医師・専門家が監修「Aging Style」


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