2012年に43歳で賞金王に輝いた藤田寛之。そして51歳となった今も、バリバリのシード選手としてツアーを戦っている。168 センチの小さな身体で、280ヤード飛ばすためにどんなことに取り組んでいるのか? 5月13日発売のゴルフ雑誌ALBA820号の記事のなかで、「ボール初速を上げることが一番大事」と、藤田は話している。


「ボール初速は、ヘッドスピードとミート率で決まります。51歳でヘッドスピードを上げていくのは大変。だから、ミート率を高めてボール初速を上げるのが、飛距離アップの最短ルートという結論にたどり着きました。そうすれば今のままでも飛距離を伸ばすことができます」

もちろん、藤田は徐々に衰えていく体力やヘッドスピードを維持するためのトレーニングを欠かすことない。「憂鬱」と言いながらも、ウェートトレーニングや瞬発系のトレーニングを取り入れて、体力維持に努めている。そのなかで、ミート率を上げるために意識しているのは、「クラブに仕事をさせること」だという。

「自分の力で一生懸命振ろうとすると、正確にミートできません。ヘッドの重さを生かして、クラブに振られるようにスイングすることで、遠心力を生かせるし、ミート率や再現性が高まるんです」と藤田は語る。

遠心力を生かして飛ばす競技といえば、陸上の『ハンマー投げ』がある。実際、藤田も『ハンマー投げ』をトレーニングに取り入れている。重いボールにヒモがついたトレーニング器具を使い、遠くに投げる練習を行っているのだ。

「腕をリラックスさせた状態で背骨を軸にして回転すると、体が飛球線方向に引っ張られながら動く感覚がつかめます」。重いボールを投げるとき、体も一緒に目標方向に引っ張られるが、そっちに動いてしまうと、遠くまで飛ばすことはできない。むしろ自分は、目標と反対方向に動かないと、遠心力は働かないのだ。軽いクラブでは遠心力を意識しにくいが、重いボールを使うことで、クラブに振られる体の使い方がわかる。

ハンマー投げでも、ゴルフのスイングでも、上体が早く目標方向に開いてしまうと、遠くに飛ばすことはできない。上体を開かずに下半身リードでスイングするには、『ガニ股』がポイントだと藤田はいう。

「切り返しで一瞬、ガニ股にすると、上体が開かずに下半身リードで下ろすことができます。同時に捻転差も大きくなるので、回転力も上がるんです」。切り返しで沈みこんで『ガニ股』にすることで、ネジを巻かれたような状態になり、下半身が先行して体が一気に回転していくのだ。こうして、51歳はテクニックを磨いて、20代の選手たちに負けない飛距離を維持している。

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