米国女子ツアーはタイ決戦を皮切りに、いよいよ2024年シーズンが本格的にスタートする。畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、稲見萌寧、西郷真央、吉田優利も参戦。ますますの盛り上がりが期待されるが、その前に昨年の名勝負を振り返りたい。今回は「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」。


昨年6月に行われた女子プロゴルファー世界一決定戦。バルタスロールGCを舞台に日本勢は8人が出場。その中で、ひときわ輝きを放ったのが21年「全米女子オープン」のチャンピオン・笹生優花だった。

初日を2アンダー・6位タイと上位で滑り出すと、2日目は順位を16位タイに落とすも、3日目は首位と5打差の8位タイまで順位を上げ、上位に食い込んだ。そして迎えた最終日、笹生の豪快なゴルフと攻めの気持ちが試合をおもしろくした。

首位から出たレオナ・マグワイア(アイルランド)がスコアを落とし、リーダーボードの最上位が入れ替わる中、一時は2打差以内に10人がひしめく展開。笹生もじわりと順位を上げ、優勝争いの中心人物に加わっていた。

前半でバーディが1つと優勝は厳しいかと思われたが、メジャー大会はやはり日曜日の後半にドラマが待っている。雷雲接近による2時間の中断が明けた10番でチップインバーディを決めると、”スイッチ”が入ったかのように、12番で8メートルを沈め、13番では30センチにつけるスーパーショットで連続バーディ。笹生は”獲物”をねらうかのような表情に変わっていき、15番でも奥から7メートルをねじ込んでバーディを奪い、ついに首位を捕らえた。

しかし、16番パー3で痛恨のボギーを喫してしまう。左のピンに対してティショットは左のバンカーへ。ピンを果敢に狙った結果でもある。「メジャーで大事なのは楽しむこと」と”攻め”の気持ちを忘れなかった。続く17番パー5ではパーとして、迎えた最終18番。左に池が広がるロケーションで、気持ちよくドライバーを振り抜き、はるか先のフェアウェイを捉えた。「池には入れたくなかった」と振り返るが、ためらいなく振りちぎった一発でプレーオフ進出に望みをつないだ。グリーンを狙った2打目はバンカーへ入りイーグルこそ逃したが、3打目のバンカーショットをOKの距離に寄せてバーディフィニッシュで締めくくった。

結果は、イン・ルオニン(中国)に1打及ばず、単独の2位フィニッシュ。16番のボギーが悔やまれるが「いままでやってきたことがすこし実ってよかった。まだやることはあるけど、いまはとてもハッピー」と表情は充実感に満ちていた。メジャー2勝目にあと1打と迫ったバルタスロールの戦いは、昨シーズンの名勝負の1つであった。


<ゴルフ情報ALBA Net>