<全米プロゴルフ選手権 初日◇16日◇バルハラGC(ケンタッキー州)◇7609ヤード・パー71>

笑いが止まらない。今季メジャー2戦目の初日は早朝からコースを覆った霧の影響でスタートが遅れたが、ザンダー・シャウフェレ(米国)にとってはそんな濃霧も、最高の一日の幕開けを告げるものだった。


10番からスタートすると「パー5で(バーディを)取れなかった。11番でバーディが来たけど、12番はピンチ」と、ティショットが左のラフにつかまり、ピンまで225ヤードの2打目はグリーン手前のラフ。そこからのアプローチは4.5メートルに乗せるのが精一杯だった。ところがそれを沈めると、一気に勢い乗った。

「あそこでパーセーブできたのが大きかった」と続く13番でバーディ。その後も3バーディを奪い、5アンダーでハーフターンした。後半も4バーディを重ねて9バーディ「62」の会心ラウンド。「ビッグトーナメントで最高のスタート」と第一声からご満悦だ。

メジャー大会の最少ストローク記録は、シャウフェレがこの日出した「62」。実は昨年の「全米オープン」初日も同スコアで回っているが、そのときはパー70だった。同日にはリッキー・ファウラー(米国)も同じ「62」で、2017年の「全英オープン」3日目にはブランデン・グレイス(南アフリカ)が同じくパー70のコースで同スコアを記録。パー71以上では初の「62」には、やはり笑顔がこぼれる。

前週は首位で最終日を迎えながら、ローリー・マキロイ(北アイルランド)の驚異の追い上げに屈し、勝利を逃した。最後のツアー優勝は22年7月までさかのぼる。米ツアー通算8勝目は喉から手が出るほどほしいところで、「勝っていなければ、もっともっと勝ちたい気持ちが出てくる。だからハードワークもするんだ」ととにかく勝ちを熱望。これは初メジャータイトルに対しても同じだ。

最高のロケットスタートには満足感をにじませるが、「まだ木曜日だから(笑)」と気を引き締めることも忘れない。「あしたは午後スタートでグリーンはデコボコしているだろうし」と警戒心を強める。21年の東京五輪金メダリストが悲願成就へ。まずは2位と3打差の大量リードを守って決勝ラウンドに向かい、最高の結果へと突き進む。


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