<全米オープン最終予選(日本会場)◇20日◇日野ゴルフ倶楽部キングコース(滋賀県)◇6910ヤード・パー70>

海外メジャー「全米オープン」の予選会が終了し、今年の日本予選突破メンバーが決まった。一日で36ホールをプレーする長丁場で、第1ラウンドを2アンダーの「68」、第2ラウンドを7アンダーの「63」でプレーしトータル9アンダーをマークした河本力が“全米切符”を手にした。


トータル8アンダーで迎えた最終ホール。そのときトータル9アンダーに立っていたのが石川遼と同組で回っていた木下稜介で、河本と同スコアで待機していたのは他に4人いた。河本は4.5メートルのバーディチャンスにつけ、入れれば予選通過が決まるという状況ではあったが、考えていたのは「決めたらプレーオフに残れるかもしれない」だった。

そしてこの大事なパットをタッチを合わせしっかりと沈め、出場権を手にした。ホールアウト後に自分がトップに立ったことを知ると満面な笑み。「めっちゃ楽しみです。楽しみという気持ちが強い」。それは河本のゴルフ人生のなかで全米オープンで戦い優勝するという目標があるからだ。

2度目のチャレンジでチケットを獲得。「(全米オープンの舞台に)立てるということにすごくワクワク感が強い。どれだけやれるかわからないですし、すごくレベルが高いだろうし。でも、出るからには優勝を目指して」。世界のトップゴルファーが集まる舞台で1番を目指す。

記者に『回ってみたい選手はいますか?』と聞かれると、河本が尊敬し目標とするジョン・ラーム(スペイン)の名前を出した。「総合力がすごく高いなと思っている。ドライバーの飛距離から、ショートゲーム、パッティングまで」と、元世界1位のすごさを語る。「生で見てみたい」。そのためには「(本戦の)予選通過」をして同組になる確率を上げたい。

ルーキーイヤーだった2022年に日本ツアーで2勝を挙げ、賞金ランキングでは9位と順風満帆な滑り出しだったが、昨シーズンは納得のいく結果が出せなかった。その原因の一つとして「睡眠の質が悪い」と指摘を受けたという。今は「睡眠の質の改善を取り入れている」と、寝る前や試合の日の朝など約5〜10分間ほど“瞑想”を行っている。

これを始めたことでプレー中にミスが起きても「イライラしないでできているので人として成長できているんじゃないかな」という実感もある。今季は開幕から2試合は予選落ちを喫したが、3戦目の「中日クラウンズ」では優勝が狙える位置で4日間を戦った。少しずつ光が差し込んでいる。

そんななかでつかんだ初の海外メジャーのチケット。平均飛距離300ヤード越えの力を武器に世界で“Riki Kawamoto”の名前を知らしめたい。(文・高木彩音)


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