<ユピテル・静岡新聞 SBS レディース 最終日◇16日◇静岡カントリー浜岡コース(静岡県)◇6385ヤード・パー72>

レギュラーツアー4勝を誇る36歳の若林舞衣子が、“返り咲き”への一歩を踏み出した。2日目に「67」をマークし首位に立つと、そのまま一度も追い抜かれることなくトータル5アンダーで逃げ切り勝利。ステップ・アップ・ツアーでの初優勝をつかんだ。


2打リードで迎えた最終日は5番までに2バーディと序盤から順調。しかし6番パー4でダブルボギーを叩くと、「さすがに逆転されるかな」という気持ちも湧いてくる。それでもひとつの姿勢を貫いた。

この日のコースは、前日の雨の影響でグリーンが軟らかい状況に。「誰でもビッグスコアが出せるチャンスがある。とにかく自分は最後まで攻めのゴルフをすることだけに集中してプレーしました」。長年ツアーで戦ってきた勝負師としての本能にしたがった。

この前に最後に勝ったのは、2021年の「GMOレディースサマンサタバサ」で、これが3年ぶりの勝利。ママさんゴルファーとしてツアーを戦ってきたが、今季はQTランク67位で下部ツアーが主戦場になった。そこから浮上するために頼ったのは、やはり“師匠の力”。指導を受ける岡本綾子のスイング動画を繰り返し見続けた。「岡本さんからも指摘されていましたが、スイングリズムとテンポがいまいちというのが私の欠点。それを学ぶために岡本さんのスイングを徹底的に見ました」。これにより、スイング時の力みが抜けた。

そしてもうひとり“立役者”が。それが「タイガー・ウッズ」。こちらも動画から、インスピレーションを得た。「練習風景の動画を見ていると、ショットでもアプローチでも球筋をイメージしながら打っている。同じアプローチでも高く上げたり、スピンをかけたりして」。すぐさまその姿勢を、練習に取り入れた。

「今年はステップ・アップ・ツアーに集中しますが、近いうちにJLPGA(レギュラー)ツアーに戻りたいです」。今回の優勝で、今年のQTはファイナルから出場できる。さらに7位に浮上した賞金ランクで、シーズン終了後1位もしくは2位になれば、来年の前半戦出場権が得られる。6月9日に36歳になったが、ゴルフに対する情熱は変わらない。


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