「全米シニアオープン」で初日から3日目まで首位をキープしている藤田寛之。2019年から黄色いボールを使っていたが、23年モデルの『PRO V1』にチェンジしたタイミングで白に戻している。その理由とは?


黄色いボールを使い始めたのは、当時エースキャディを務めていたピーター・ブルースさんのひと言だった。「黄色と白で迷っているときに、『ボールがすごい見えるから楽しいね』ってピーターが言って、悩むくらいなら黄色にしようと」。当時はツアープロでカラーボールを使っている選手は少なかったが、視認性の高さから今ではレギュラーツアーでも数人の選手が使い、シニアツアーではほぼ3人に1人が使用するまでになった。

最新の『PRO V1』がツアーに投入された22年11月のタイミングでは白一択で、そこから少し遅れる形で黄色いボールが出来上がってくる。なので、藤田も最初は白いボールを使うことに。「白を使っていたら、黄色より若干やわらかく感じるんですよ。やわらかいのが好きだから、そっちの方が良くてね」。黄色いボールが使えるようになっても白を使い続け、もう1年半以上経つ。

そもそも、しっかり感のある『PRO V1x』ではなく『PRO V1』を選んできたのも、ドライバーからパターまでやわらかい打感が気に入っているからだ。

「黄色は硬く感じる」というプロは藤田以外にもいる。同じモデルで本当にそんなことがあるのだろうか。「パターで目をつぶってテストしたんですよ。今のは『白』、次のは『黄色』とか言って」。果たしてその結果は……「まったく当たりませんでした(笑)」とまさかの答え。それでも「明らかに見て打っている感じは違う」と藤田はいう。

4日間トップの完全Vがかかる全米シニアオープンは最終日を残すのみ。13年の「全米プロシニア」で優勝した井戸木鴻樹、21年の「マスターズ」を制した松山英樹に続けるか。白い『PRO V1』でVICTORYを目指す。

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●藤田寛之は飛距離をカバーするショートゲームを武器に、レギュラーツアーでは通算18勝を挙げ、2012年には43歳で賞金王に輝いた。関連記事の【アプローチの名手・藤田寛之のSWはなぜ“58.5度”なのか?】では、数々の勝利に貢献してきたウェッジのこだわりについて語っている。


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