■単身者の貯蓄額は平均値が653万円、中央値が50万円
一人暮らし(単身者)の人は、他のみんながどれくらい貯めているか、密かに気になりませんか?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】」(2020年)の最新データによると、単身者(一人暮らし)の人の平均貯蓄額は653万円、中央値は50万円(ちなみに昨年は、平均貯蓄額が645万円、中央値が45万円)という結果が出ていました。

※正しくは「金融資産保有額」ですが、当記事ではまとめて「貯蓄」と表記します。また、例えば来月のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします。

「平均値の653万円にはおよばないけれど、中央値の50万円の貯蓄だったらあるかも……。でも、平均値と中央値って何が違うの?」と感じた人もいるかもしれません。

そこでまずは、「平均値」と「中央値」についての違いをお伝えします。

一人暮らしの友達が10人いたとします。そのうちの9人が10万円、1人が1億円を持っていたとすると、「だいたいみんな10万円持っているよね」という感覚になりますよね。

ところが、実際に計算して平均値を取ると、(10万円×9人+1億円×1人=1億90万円)÷10人=1009万円です。ほとんどの人が10万円しか持っていないのに、たった1人、1億円を持っているだけでその数字に引っ張られ、平均値はおよそ1000万円になってしまったわけです。

つまり、「平均値」とは、極端に高い数字(または低い数字)があると、それに引っ張られてしまい、「真ん中」からズレていってしまうのです。

そこで注目したいのが、「中央値」です。中央値とは、高いほうと低いほうから順番に数えていき、ちょうど真ん中にある数値のこと。この友達10人の場合は、「10万円」ですね。「みんな10万円くらい持っている」というほうが、実感値に近いのではないでしょうか。つまり、「真ん中」を知りたい場合は、平均値よりも「中央値」を見るほうがいいというわけです。

では次に最新データから、20代、30代、40代の単身者(一人暮らし)の貯蓄額の「平均値」と「中央値」を、年収別に見ていきましょう。

■20代の単身者の平均貯蓄額は?
・年収300万円未満……平均値76万円、中央値5万円
・年収300〜500万円未満……平均値164万円、中央値57万円
・年収500〜750万円未満……平均値424万円、中央値351万円
・年収750〜1000万円未満……(回答者2人のため除外)
・年収1000〜1200万円未満……(回答者2人のため除外)
・年収1200万円以上……(回答者2人のため除外)

■30代の単身者の平均貯蓄額は?
・年収300万円未満……平均値141万円、中央値20万円
・年収300〜500万円未満……平均値329万円、中央値187万円
・年収500〜750万円未満……平均値994万円、中央値558万円
・年収750〜1000万円未満……(回答者8人のため除外)
・年収1000〜1200万円未満……(回答者2人のため除外)
・年収1200万円以上……(回答者1人のため除外)

■40代の単身者の平均貯蓄額は?
・年収300万円未満……平均値339万円、中央値10万円
・年収300〜500万円未満……平均値599万円、中央値210万円
・年収500〜750万円未満……平均値1326万円、中央値501万円
・年収750〜1000万円未満……平均値2804万円、中央値2525万円
・年収1000〜1200万円未満……(回答者4人のため除外)
・年収1200万円以上……(回答者4人のため除外)

基本的に「平均値」はやや高め、「中央値」はやや低めのケースが多かったのではないでしょうか。

どのような人生を歩みたいかは一人ひとり異なりますので、一人ひとりの必要貯蓄額は異なります。でも、どれくらい貯めたらいいかがわからない場合、一案ですが、まずは「中央値」を目指し、それをクリアしたら「平均値」を目指す、という目安にしてもいいかもしれません(※平均値のほうが中央値より高かった場合)。

もちろん、これはあくまでも一般的なデータ。この数字にとらわれすぎず、自分の目標や夢にあわせて貯蓄額を考えて、貯めていくようにしたいですね。

西山 美紀(マネーガイド)