メッセージのやりとりやSNSなど、スマホで文字を打つときに欠かせない絵文字。使う言語が違う人同士でも意思の疎通ができる、この夢の文字、裏には結構おもしろい話がありまして…。

日本生まれのEmojiが世界を席巻。言葉を超えたコミュニケーションを生んだ。

今や日本以外の国のほうが利用率が高そうな絵文字。なんと名前も“Emoji”というから驚き。

「海外にも、“;-)”などの『emotion icon』と呼ばれる表現はあったのですが、絵文字と音が近かったこと、またアップルが絵文字キーボードを『Emoji』と訳したことなどから、この名前が浸透したのでは」

と語るジャーナリストの松村太郎さんによると、絵文字の開発・管理をしているのは、ユニコードコンソーシアムという非営利団体で、コンピューターのOSを開発しているアップルやグーグルなどの会社も参加している。

「特にアップルは老舗的な企業で、あらゆる意味でリーダー的な存在です。絵文字に対しても、“倫理的に正しくありたい”との思いから、人種や性指向、文化の多様性などの面への配慮を欠かしません。例えば銃規制が盛り上がった際には、ピストルの絵文字を水鉄砲に置き換えたことも。昨今の新しい絵文字が、社会問題に近いところから選ばれたり改良が加えられているのは、最近の傾向ですね」

世界中に絵文字が浸透したこの10年で、非言語コミュニケーションが大幅に進歩した、と松村さん。

「母国語が異なっても、気持ちや雰囲気、思いが伝わる。これは人類にとって大きな発明だと思います。絵文字をきっかけに、他の言語を持つ人たち同士が耳を傾け合う世界になりました。また絵文字がきっかけで日本カルチャーに興味と理解を持つ人が増えたのも、一つの嬉しい現象ですね」

Emoji NEWS 1:“Emoji”の始まりは“i-mode”。iPhoneの登場が広まるきっかけに。

「’08年に日本でiPhoneを発売する際、ケータイ文化を知るAppleは“日本には絵文字が不可欠”として、日本版にのみ絵文字を搭載。それをきっかけに海外でも絵文字のニーズが高まり、世界で利用できるようになりました」

Emoji NEWS 2:実は毎年新しいEmojiが登場! これから出るのは、こんな文字たち。

2020年にiPhone、iPad、Mac、Androidデバイスで使用できるようになる新絵文字(Emoji13.0)が、今年の1月に公開され、秋のOSバージョンアップから使用可能に。ちなみに来年のものも、すでに発表されています。

Emoji NEWS 3:同じ“Emoji”でも、時代&ソフトによって意外と違うんです。

Android(Google)とiOS(Apple)などのOS、あるいはMessengerとWhatsAppなどアプリごとに、同じ絵文字でもその“デザイン”は異なります。またそのデザインは時代によって変わることも。なかなか趣深い。

Emoji NEWS 4:7月17日は“世界Emojiデー”。なぜその日? 理由がユニーク。

英語では「World Emoji Day」として知られるこの日。新しい絵文字や人気絵文字の発表などが行われ、世界中で絵文字を祝福するのですが、なぜこの日なのか、それはAppleのカレンダーの絵文字が7月17日だからでした。

まつむら・たろう 2019年まで米国バークレーで過ごし、シリコンバレーの最先端を取材。近著に『Anker 爆発的成長を続ける 新時代のメーカー』(マイナビ出版)など。

※『anan』2020年9月23日号より。写真・中島慶子 イラスト・石山さやか サイトウユウスケ 

(by anan編集部)