インテリア会社の広報でSNSフォロワー10万人のインフルエンサー・真柴くるみ(川口春奈)とミニマリストの料理人・藤野駿(横浜流星)の“うちキュン”を描くドラマ『着飾る恋には理由があって』。2話では二人が急接近! 3話放送前に、振り返ってもう一度キュンキュンしておきましょう。

真柴と駿のゆびきりげんまん


真柴と駿。仕事のときは着飾っている真柴ですが、駿の前ではいつもより素な感じ(3話より)。©TBS


『着飾る恋には理由があって』1話では、真柴くるみ(川口春奈)と藤野駿(横浜流星)との出会いがあった一方、真柴(駿が「マメシバ真柴さん」と呼んでいるので、このレビューでも真柴と呼ぶことにしますね)が働いていた会社の社長・葉山(向井理)が社長を追われ、姿を消してしまいました。社長への片思い歴じつに7年の真柴が落ち込まないはずはありません。

そこへ追い打ちをかけるように、「社長交代が世間に公表されるまでは」と、毎日力を注いでいた会社用&私設SNSの禁止令が出てしまいます。真柴の先輩で、ルームシェアの部屋を提供してくれているフードスタイリスト・香子さん(夏川結衣)いわく、SNSの更新は真柴が「身を削って」やっていた仕事。社長がいなくなってからは、さらに「どこかで社長が見ているかもしれない」という一縷の望みをかけた大切なメッセージの手段でもあるのです。

冒頭、真柴が今の会社を知るきっかけとなった大切なキーホルダーを探しているのにエビの話をはじめる藤野駿(横浜流星)には一瞬「空気読めない人?」と思ってしまいましたが、常に最低限のものしか持たない彼にとってはなくしものはいつか必ず見つかるものであり、大ごとではないのかもしれません。真柴を励ますためにとびきりおいしいエビを食べさせる約束をした駿に真柴も「もしかしていい人?」と嬉しそうですし、二人の指切りげんまんはとってもかわいいシーン。駿は真柴の「大事なものがあると、なくすとつらいもんね」の言葉に思うところがあるようで……。


香子は真柴にとって頼れる憧れの存在。香子の自由さは、観ていて気持ちいい!(3話より)。©TBS


すべてを捨てた駿、好きを切り取る真柴

陽人(丸山隆平)も、カウンセラーという職業柄&彼女のことが気になっているだけあって、真柴の変化には目ざといようです。真柴を元気づけようと、お花見に誘います。「二人きりでお花見」の目論見は一瞬で崩れさり、その場にいた香子さんの留学前の送別会を兼ねることに。その後、作品づくりがうまくいっていない彩夏(中村アン)も誘うあたり、陽人のやさしさがあらわれています。こんなにもみんなを見ている、苦しんでいる人に手をさしのべる陽人には幸せになってほしい……。

お花見当日。公表前の社長交代がどこからか漏れてしまい、広報部の面々は事前に前社長のインタビューを終えていて、発売前/公開前だったメディアへ急遽謝罪に向かうことになってしまいます。真柴もヒールで足を痛めながら、駆けずり回ることに……。突然の謝罪行脚のため相手が遠方にいたりもして、お花見には到底間に合いません。夜もだいぶ更けてから一応みんながいたはずの公園に向かう真柴。そこには駿がひとり、待っています。

もう閉園した公園に、門をよじ登って忍び込もうとする駿ですが、ヒールの靴ずれが限界を迎えていた真柴はとても登れません。そこで、ルームシェアをしている家に帰って飲むことに。家で待っていたのは、彩夏がスランプを乗り越えてつくった見事な桜モチーフの作品でした。「おうちお花見」をする二人。駿はかつて、料理人として期待され、注目されて持った店をダメにしてしまった過去をぽつりぽつりと真柴に語ります。そして「すべてを捨てたら自分が見えるようになった」とも。

話すうち、真柴もSNSは単なる仕事ではなく、自分が好きでやっていたことだったと気づきます。同じ「自分を見るための方法」が、駿には捨てることだったけれど、真柴にとってはSNSで一瞬を切り取ることだった───ということになります。もう駿の料理(エビではなかったけれど、真柴の好物であるさきイカを使っているところがにくい!)の味を知っている真柴は、てらいなく駿に「あなたは天才よ」と伝えます。そして突然の冷蔵庫前キス! キスの瞬間もさることながら、慌てて取り繕う二人、部屋でドキドキが収まらない二人の様子のほうが観ていて「キャー!」となってしまいます。なんてかわいい二人!


駿が料理するときの手さばきも見どころのひとつ(3話より)。©TBS


ひとつずつ「着飾る」のをやめていく真柴

このドラマ、中心にはもちろん真柴と駿、二人の恋があります。けれどそれだけではなく、真柴の“着飾る”も、駿の”雨だから休む“も、朝まで相談相手に付き合う陽人も、作品を追求する彩夏も、そして4人をおおらかに受け入れながらも自分のやりたいことを追求している香子も、それぞれがきちんと自分の仕事に向き合い、自分なりのやり方で日々を過ごしている姿が描かれてもいます。だから観ていて清々しいし、より登場人物への共感度が高まる気がします。

1話のラストでネイルをやめていた真柴。2話のラストではヒールを置いてスニーカーに履き替えます。彼女が爪や靴をきれいにすることも、香子さんがお花見のために着物を着ることと同じように決して悪いことばかりではないと思いますが、真柴が駿との出会いで変化しつつあるのは確かなようです。今夜放送の3話では真柴が仕事のミスから休暇をとることをすすめられ、真柴、駿、陽人、彩夏の4人でキャンプに行くことに! さてこれから真柴は、真柴と駿の関係はどうなっていくでしょう。


文・釣木文恵
ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。



Information

脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、棚澤孝義、府川亮介
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平、中村アン、向井理 他
放送日:TBS系毎週火曜日夜10時〜

文・釣木文恵