30代の由香さん(仮名)は、義父母の離婚をきっかけに義母との近居生活を開始。最初のうちは地域に友人がいなかった義母も、由香さんの勧めで地域活動をするようになってから、徐々に近所に友人が増えていったそうです。すると義母は、地域の人たちに由香さんの悪口を言いふらすように。メンタル心理カウンセラーの並木まきが、義母との近居によってとんでもない体験をした由香さんのエピソードをご紹介します。

地域の人に息子の妻の悪口を言い続ける義母

「公民館での講座に行き出してから、もともと性格が積極的な義母は地域に友人がたくさんできたみたいです。義母の周りの人は仕事をしていない人も多かったので、どこでも一緒に出掛けるような仲になっていました。義母はあっという間に周囲の環境に溶け込んでいきましたね。

義母に友人が増えるにつれて私たち夫婦への干渉も減ってきたので、最初のうちは私もそんな義母の様子を見て『よかった』と思っていたのですが、だんだんとそうも言っていられなくなりました。
なんと義母は、私の悪口を地域の友人たちに言いふらして、私は知らないうちに地域の人たちから“問題のあるお嫁さん”というレッテルを貼られてしまっていたんです」

義母の家とは徒歩5分の距離だったために、近所の人は由香さんの顔を知っている人が多く、そういった人たちに有ること無いことを吹聴してまわる義母のせいで、由香さんはすっかり周囲から好奇の目で見られる存在になってしまったのです。

「たまたまお隣の奥様に会ったときに、その奥様が私と同世代なこともあって『お宅のお姑さん、大変ね…。私も悪口を随分と聞かされたけど、反論しても言い負かそうとしてくるからあなたを擁護しきれないの。ごめんなさいね』って言われて、そこでよほどのことを言いふらしているのだなって知りました。

当時は近所の人は私と会っても以前よりよそよそしくなっていたし、私はゴミ出しで外に出るのも嫌になるほど、塞ぎ込んでいきました」

夫が義母に文句を言ったことで一変! 義母と離れられることに

しばらくは「噂なんて放っておけばすぐに収まるだろう」と静観していた由香さん。しかし半年以上経っても義母は由香さんの悪口を言い続けていたようで、そのうちに由香さんが住んでいるマンションの管理組合の会合に行ってもみんなが由香さんと目を合わせたがらないほどにまで孤立することに。

さすがに「このままではしんどい」と限界を迎えた由香さんが夫に全てを打ち明けると、事態が急変したそうです。

「夫は多忙で出張も多い人。家に帰ってくるのも遅いし、休日もゴルフだ釣りだと出掛けるタイプなので、近所付き合いにも興味がない人でした。マンションの管理組合の会合があっても夫が出席したことはなくいつも私が出ていたし、そういうのは任せたよって感じの夫なんです。

だけど義母のせいでこんなことになってしまっては、もう私自身も近所の人と会いたくないって思ってしまったので夫に全てを話して、なんとかしてもらいたいとお願いしてみました」

すると、夫も由香さんの立場が脅かされていることを理解し、すぐに義母に対して文句を言ってくれたそう。それに加えて「俺らの生活圏で日常生活の邪魔をするなら、引っ越してくれ」と義母に冷たく言い放ち、隣の市に転居させたそうです。

「おかげで今は平穏な日々が戻りつつあります。義母が引っ越してくれたことで、近所の人たちも少しずつ私と以前のように挨拶をしてくれるようになりました。みんな口うるさい義母にとやかく言われるのが嫌で、私と距離を置いていたみたいなんです。義母が言っていた悪口を全部信じていたわけではないんだなと思ってホッとしました。
義母はそれ以来、新しい土地でひとりで暮らしています。この件があってから義母と私たち夫婦はすっかり疎遠になって、帰省もしなくなりました。義母は今ひとりで寂しく暮らしているんじゃないですかね」

近居をしても息子の妻を尊重して“いい関係”を築こうとする義母も多いでしょう。しかし、そうではなく、予期しなかった大きな問題を起こす義母もいるようです。由香さんのケースでは、夫が全面的に妻の味方をしてくれたことが功を奏したようです。

義母からの嫌がらせを受けた場合、妻がひとりで抱えても改善が見込めないことなら、早めに夫に相談して、解決に向けた行動に移してもらうことが特効薬になる例もあるのでしょう。

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文・並木まき