幻想からの解放が起こる、風の時代の基本的アティチュード。

私を含め占術家たちは年末年始などの節目のタイミングにおいて、来年や上半期・下半期ごとなどの予測・運気の流れを発信していますが、きっと今年の予測においては、ほとんどの占術家が「2024年は激動の年で、色々なことが起きる一年になる」といったような予測を打ち出していたのではないでしょうか。

そういった占断になる主たる理由は破壊と再生の星といわれる天体・冥王星が10数年ぶりに山羊座の部屋から座を移し、水瓶座の部屋に入るというビッグシフトがあるから。そして、今年は開運の星とも拡張の星ともいわれている天体・木星が双子座の部屋に入り、冥王星と良好な角度をとることもこういった占断に大いに関係があると思われます。

“良好”な角度なのになぜ“激動”になるのか。それは冥王星が入る水瓶座も木星が入る双子座も共に“風”に属するサインなのですが、冥王星の圧倒的なパワーがラッキースター・木星により更に強化されて、ただの風から強風へとハイパーアップグレードされるからです。

ちなみに占星術では火・土・風・水と4つのエレメントを扱い、それぞれの要素ごとに特定のエネルギーを持つとされます。

例えば“火”であれば直感的、リーダーシップ、始まりのアクションを起こすであったり、“土”であれば物事を形作る性質、伝統、権威、物質的、リアリストであるといったふうに。

そして、ここからのお話のコアとなっていく“風”要素の特性とは、精神性、アンテナ、情報、そして知的であるとされています。

また、それに加えて忘れてはならないのは、火――土――風――水という順番でエネルギーは循環しますが、それぞれの要素が主軸を握る時には1つ前の要素にエネルギーが偏りすぎた結果、過剰となったものや腐敗したものは次サインのパワーで燃やされたり、埋められたり、吹き飛ばされたり、流されたりするであろうという、一種の自浄作用を持っているということです。

このセオリーを現代に当てはめるなら、風の時代になりたての今は土の要素的なものが風の要素的なものに吹き飛ばされていくタイミングであるとはいえないでしょうか。

風が起こす変化やその予兆はもう既に色々なところで起こり始めていますが、これからは先ほど申し上げた冥王星水瓶座と木星双子座の影響でその頻度も破壊力も増大し、これまでに作り上げてきたものたちが時に荒々しく、時には気づかないうちにさらりと作り替えられていくこととなっていくのでしょう。

その風に乗るために。

Twitter(現X)にて“風の時代”がトレンドワードになったのは2020年12月のこと。

水瓶座の部屋での木星と土星の会合・グレートコンジャンクションが起きたことで風の門は開いたわけですが、思い起こせばちょうどその前後から、風の要素である移動・情報またはITリテラシー(読解記述力)、配信や情報発信、リモートでのあれこれを日々の生活の中で見聞きすることが増えていったように思います。この時も木星・土星の会合のパワーの強さを大いに感じましたが、実は時代を動かす風の勢いが増してくるのは今年、それも5月26日に木星が双子座の部屋にシフトした頃からとなります。その辺りから“時代はいよいよ風仕様”へ! と、さらに誰の目にも明らかな形で変わっていくこととなるのです。

さて、強風吹き荒れそうな2024年下半期ですが、その風に乗るためにできることとはなんでしょう。また、私たちが気をつけること、意識しておくといいこととは一体なんでしょうか。“風”が強くなるこの時代において必要なこと、それは、前時代において主とされてきたことや土の時代の渦中に染みついた感覚をうまく心身からリリースして、これからの時代に必要なエッセンスを能動的、かつ、積極的に取り入れていくことにあります。

そして、その必要なエッセンスとは風に属する3星座、双子座、天秤座、水瓶座が司る要素となります。

風の3星座のエッセンスを取り入れていく。

ここからは更に詳しく風の3星座とその要素についてを掘り下げてみましょう。

まず1つ目の星座は双子座で、その象意は、仲間、繋がり、思想、知恵、機動性とされています。そして、2つ目の星座は天秤座。その象意は、センス、美意識、カルチャー、コラボレーションといった文化的なもの・芸術的なものであり、最後、水瓶座の象意は天才性、公共性、最新のテクノロジー、宇宙開発、社会貢献、インターネットという最先端の何かに通ずるものになります。

実際に、2024年も中盤戦となり、過去の権力構造や癒着、そして形骸化してしまっている物事がすごい勢いで崩れていっていること、またそれとは反対にスピードと勢いを伴って頭角をあらわしている奇才・天才たちの台頭や新しいテクノロジーが誕生したり、コロナショックを境に各種サービスなどのDXが進んだりしているように、今は相当なスピードで新旧のあれこれが入れ替わっていっているように思えます。

とはいえ、“言うは易し”で、こうした新旧の切り替えを一朝一夕で行える人はほとんどいないはず。

ただ、今は風×風(冥王星と木星)のケミストリーが巻き起こす強風が私たちやこの現実世界のあれこれを大きく動かす変化の絶好期であるわけですが、その風を大きくその身に受けるには土の要素を大量に背負っていたのでは残念ながら準備不足と言わざるを得ません。この絶好期を活かすには心身に余白を設けて、時代の風を受けられるようになっておくことが重要です。

心身や生活リズムをチューニングしていく。

変化にブーストをかけるために余白が必要とお伝えしましたが、余白は意外に作ることが難しいもの。きっと皆さんも経験があるはずです。スケジュール帳がすぐに予定で埋まってしまうとか、カレンダーが埋まっていないと不安になる! とか…。でも今期はそういう不安や焦りを感じるブレーカーをoffにして、余白を作ること、時間に余裕を持つことを意識してみましょう。

例えば週末に有休を1日とって3連休にして何もしない3日間を過ごしてみるとか、都市部にお買い物・グルメなどを楽しみに旅に行くのではなくて何もないエリア、静かなところに行ってぼーっとしてみるとか、やろうと思えば“空(くう)”の時間を作ることはきっとできるはず。

そして、そうしてできた時間の中でしていただきたいこと、やったほうがいいことに、呼吸があります。呼吸は皆さん意識をしてなくてもされているはずですが、ぜひ意識して深呼吸をしてみてください。その際に動画や本などで呼吸法を学んでみたりして、“自分がちゃんと肺から息を吐き出せているか、心地いいリズムで息を吐いたり吸ったりできているか”をチェックするのもよさそうです。

風の時代は日本語では“風”と表現されますが、占星術の原典では“エア”(空気)の時代といわれます。そのため、この時代に適合していくためにまずは“エア”からしっかり見直していこう! というのがこの作戦の真意なのです。

意識的に心身を新時代仕様にチューニングしていくための余白作り。余白・余裕が持てません! という方、どうぞご安心ください。

2024年下半期は上述の通り、風×風がとても強くなる時ですので、あなたの余白・余裕は強制的に作られていく、ということが起こるはずです。旅行が諸事情で来年となるとか、定期的に来ていた仕事が減るとか、アポイントが流れて時間ができるとか、数時間単位の余白から1週間単位の余白まで、人によっては――よくないことではありますが――入院とか海外で携帯をなくすなど、今までのルーティンを保守したくてもできない状態となる人だっているかもしれません。

ここまでして、あなたの日常に余白を作る流れがなぜ起きるのか。それは、気の早い話ですが来年の上半期中に試練・土台の星である土星とイリュージョンの星・海王星が牡羊座の初期度数で合となり、新しいアイコン・在り方・働き方といったものがこの世界に数多く登場してくる流れとなるからです。つまり来年の上半期は“大きな切り替わりの年”であり、その準備のために余白が必要であるということなのです。

種が入り、芽吹くための場所を確保する。

当然ですが、種を蒔かないと新しい芽が出ることはありません。そして、種を蒔くためには余白、つまり空きスペースが必要です。

今、この瞬間にやる気があまりないとか、今までのことに興味が失せてきたとか、ガンガン働く気が失せてきたという方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろそういった方ほど実はこの宇宙バイブスをしっかりと受けており、深層心理下では、種が入るスペースが着々と準備・整備されていってる最中なのかもしれません。

そして、風の3星座の要素の通り、面白いアイデアをあなたのアンテナがキャッチしたり、友人などからいっしょにやらないかなどとお誘いがやってくることもあるでしょう。それらがたとえ今のあなたからかなりかけ離れたもの・遠くに感じられるものであってもすぐにNOを出さず、一度、ゆっくりと吟味してみてはいかがでしょうか?

風とは全てを自分で行う“強さ”ではなく、“流れに乗ること”や“誰かと行うこと”を強めていくことを表すエレメントです。時代が風に切り替わった今、私たち全員に求められているのは、宇宙・自然とのシンクロニシティやその感覚を高めることであり、よりフレキシブルに、全体性を見つめながら動いていくことが基本的アティチュードかと思います。

今年、特に下半期は風、極まれり年。そんな時には“孤軍奮闘・岩モード”は卒業して、風にその身を任せるようなサレンダー感を醸し出してみましょう。そうすれば、きっとあなたをどこかへと誘う、心地よい風を然るべきタイミングでキャッチできるはずですから。

ユージ 星読み係、ヒーラー、聖地巡礼拝家。毎日星を読み、星々からのメッセージをSNSで発信。著書に、『日本』(光文社)、『運命を変える「石」の処方箋』(KADOKAWA)。Xは@yujiscope

※『anan』2024年6月26日号より。イラスト・フカフカフー

(by anan編集部)

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