ATPカップ出場、“現役最年長ランカー”松井俊英の現地発コラム第6回

 男子テニスの国別対抗戦「ATPカップ2021」がオーストラリアで開幕を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、厳戒態勢で行われる団体戦に日本代表として参戦する42歳の“テニス界現役最年長ランカー”松井俊英が大会中に「THE ANSWER」で現地発のコラム。第6回はチャーター便で入国時に同乗者に感染者が出たために、ハードロックダウン状態となっている錦織圭(日清食品)らに対する配慮で、大会開幕が2月1日から2日にスライド。錦織が最大5日間、コートで準備できることになった。

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 これは日本代表にとって朗報でしょう。選手とトーナメントディレクターのミーティングでも話題に上がっていたのですが、ATPカップの開幕日が1日ずれることが正式に決定しました。

 当初は1日開幕でしたが、2日になります。全豪オープンの前哨戦の予選も無くなり、選手は追加でのトレーニング期間を手にできることになりました。

 これはチャーター便でオーストラリア入国の際に、同じフライトに感染者が発覚した72選手への配慮です。他の選手はソフトロックダウン状態で、基本2週間はホテルから出られませんが、1日5時間はトレーニングでの外出が認められています。コートやジムで練習できていますが、錦織選手らは宿舎の自室から一切出ることが許されていません。

 大会側はトレーニング環境の不公平を少しでも解消しようと、開幕をずらしました。今回のATPカップの参加選手の中で、錦織選手の他にフランスのシングルスの選手、オーストリアのダブルスの選手らがハードロックダウン組だと明らかになっています。

 日本は今大会、ロシア、アルゼンチンと同じグループDに決まりましたが、まだ初戦の相手や日程は出ていません。1回戦は2日と3日に分散して開催されますが、錦織選手らロックダウン組になるべく準備期間を供出するというのが、大会側の狙いなので、日本やフランスは3日に初戦を迎える可能性が高いと思っています。

準備期間が最大5日間になった【写真提供:松井俊英】

選手は前向き「ポジティブに取り組んでいこう」

 僕の場合、2週間の隔離が終わるのは30日ですが、錦織選手は1日早く入国していたので、29日には隔離期間が終了となります。ここから日本代表としてチーム練習ができます。当初の日程では3日間の準備期間でしたが、2日に初戦を迎えると仮定すれば、錦織選手は最大で5日間のトレーニング期間を手にすることができます。部屋の外に出ることができなかったハードロックダウン組にとって、準備期間は1日でも長いほうがいい。これは朗報です。

 選手は世界中からチャーター便で入国したので、隔離解禁日はそれぞれ異なります。ですが、大会側はなるべく早くハードロックダウン組の隔離を解禁すべく動いているそうです。錦織選手やアザレンカ選手らは最優先で解禁されることになりそうです。

 日本代表チームはアプリ上で繋がっており、選手からは「こんな状況だけれど、ポジティブに取り組んでいこう」と前向きな言葉も出ています。今回代表チームの監督を務める錦織選手のパーソナルコーチ、マックス(ミルヌイ)さんとも連絡が取れています。

 慌しい状況は続きそうですが、これまで通りに準備に集中していければと思っています。

■松井俊英(まつい・としひで)

 1978年4月19日、千葉県柏市生まれ。42歳。ATPダブルスランキング世界207位。シングルスランキング802位。私立八千代松蔭中学卒業後、カナダ・トロントのノースビュー・ハイツ・セカンダリースクールで単身語学留学を経て、ブリガム・ヤング大ハワイ校卒業。2000年にプロ転向後、06年、10年にデビス杯日本代表に選出。世界46か国以上を転戦し、19年には41歳で現役選手として世界最年長のATPランカーとなった。2年連続でATPカップ日本代表にも選出されるなど実力は健在。オンラインサロンも展開中。
(THE ANSWER編集部)