ラグビー日本代表がW杯以来の試合

 ラグビー日本代表が12日、静岡・エコパスタジアムでサンウルブズと強化試合を行い、32-17で逆転勝ちした。史上初の8強入りを果たした2019年ワールドカップ(W杯)日本大会以来、601日ぶりの代表戦。主将のFLリーチ・マイケルら当時のメンバー13人が先発に名を連ねた。1万8434人の観衆が集まった一戦。選手たちは「待ち切れなかった」「本当に幸せ」と感謝した。

 確かな熱気があった。最寄り駅から会場までの道中にも、そこかしこにいた桜のジャージをまとったファン。感染対策が取られ、歓声自粛となった中、スタンドではハリセン型のグッズを叩いて手拍子を鳴らした。試合前の練習から大音量。先発する選手の名前がアナウンスされるたびに爆発した。

 待ちわびたファンの想いに後押しされるように、選手たちは激しくぶつかり合った。一進一退の攻防が続く。調整試合の意味合いが強かったかもしれないが、久々の桜のジャージにファンは胸を躍らせた。試合直後に行われた場内インタビュー。主将のFLリーチ・マイケルは「待ち切れなかったです。ずっとコロナで合宿で集まったり、試合したりするのに時間がかかった。今日、やっと皆さんの前でプレーできたことが凄く嬉しいです」と汗を拭った。

 1年8か月ぶりの代表戦。23年フランスW杯へ再出発を図るジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)は、ジャージの重みを説いていた。宿舎で行われた試合前のミーティング。「このジャージを着ることにリスペクトしながらプレーしよう」。初選出のメンバーに伝えた。

 早大4年時に日本一を経験した社会人2年目で23歳のSH齋藤直人は、後半11分からプレー。持ち前のパスセンスを発揮し、エナジーをもたらした。初めてトップカテゴリーのジャージに袖を通し「本当に最高でした。これで終わりじゃないけど、ラグビーを始めた頃から日本代表でプレーすることを目標にしていた。この代表でプレーできて光栄でした」と感慨にふけった。

中村亮土「温かい応援は本当に嬉しいこと」

 チームとしては、圧力をかけられた前半にボールを保持できず、後手に回った。3-14で突入した後半に目まぐるしく選手を入れ替え。接点を意識し、敵陣でプレーする時間を増やしていった。ジョセフHCは「後半に入ったメンバーがインパクトを与えてくれた」と強調。サンウルブズを含め、今後の代表争いを歓迎した。

 試合終了後、選手たちは客席に挨拶をしながら場内を一周。拍手を受けたCTB中村亮土は「お客さんが入っている状況でラグビーができるのが本当に幸せ。モチベーションも変わるし、まだ今は難しいかもしれないけど、お客さんの中で今後もプレーしたい。最後まで残ってくれて、温かい応援で送ってくれるのは本当に嬉しいこと」と感動した様子だった。

 26日に欧州遠征として英国系4協会の選抜チーム、全英・アイルランド代表ライオンズ戦(スコットランド)、7月3日には敵地でアイルランド戦を予定。姫野和樹、松島幸太朗の海外組も合流する。リーチは「ライオンズは北半球のベストチーム。良い準備をして良い知らせができるように勝ちに行きたい。皆さんの応援が力になるので、引き続きよろしくお願いします」と頭を下げた。

 W杯で8強の壁を打破するため、日本代表が再スタートを切った。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)