出資金詐欺の被害を受けた大物アスリートたち

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の通訳を長年務めた水原一平容疑者は、銀行詐欺罪で訴追された。大谷の口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正送金したとされている。日米に衝撃を与えた事件の波紋は広がるばかりだが、過去にスポーツ界ではこの金額をはるかに上回る詐欺事件が起こっていた。米スポーツ専門局「ESPN」が伝えているもので、元サイ・ヤング賞投手らが合計で3000万ドル(約46億円)もの被害を受けていたという。

 米球界を騒然とさせた“ミズハラ・ショック”。大谷への影響だけにとどまらない大スキャンダルとあって多くのメディアがさまざまなアプローチで報じている。1600万ドルという巨額、巧妙な手口といった部分がクローズアップされ、ファンの関心も集めている。

 そんな中、「ESPN」は「オオタニが詐欺に遭ったスポーツ選手や有名人の長いリストに加わる」との見出しで記事を掲載。「イッペイ・ミズハラが元雇い主のドジャースのスーパースター、ショウヘイ・オオタニから少なくとも1600万ドルを盗んだ疑いはスポーツ界に衝撃を与えたが、有名人が側近から金を騙し取られた話はずっと昔からある」と過去にあった詐欺事件について紹介した。

「元ジャイアンツ投手のジェイク・ピービー、元NFLのQBマーク・サンチェス、そして他のスポーツ選手らが、投資アドバイザーのアッシュ・ナラヤンによって、偽造または不正な署名を使って彼らの口座から“密かに盗んだ”3000万ドル以上が騙し取られた、と2016年に連邦当局が発表した。ナラヤンは2019年に電信詐欺と虚偽の納税申告書の提出で罪を認め、連邦刑務所で3年以上の懲役刑と1880万ドルの賠償金の支払いを命じられた」

 パドレス時代の2007年に最多勝、最多奪三振、最優秀防御率のタイトルを手にし、サイ・ヤング賞に輝いたピービーは、ジャイアンツで引退するまでの15年で通算152勝を挙げた大物右腕。2016年にサンチェスらと3人合計で3000万ドルを超える出資金詐欺に遭ったことが当時、話題になった。

(THE ANSWER編集部)