買取大吉 バレーボールネーションズリーグ2024福岡大会

 バレーボールネーションズリーグ(VNL)2024福岡大会は16日、北九州市の西日本総合展示場で女子第3週が行われ、世界ランク7位の日本は同5位で東京五輪金メダルの米国に0-3(15-25、18-25、24-26)で完敗した。福岡大会最終戦は黒星となり、大会通算8勝4敗。主将の古賀紗理那は世界との差を痛感した。20日にはタイで8か国で争うファイナルラウンドが開幕。12年ぶりの五輪メダルへ、早急に課題を埋めなければならない。

 高さとパワー、組織的な戦術でも及ばなかった。日本はサーブで崩され、石川真佑、古賀らアタッカー陣へ効果的に繋げられず。守備ではリベロ小島満菜美を中心に拾い続けたが、世界的オポジットのドルーズや身長190センチのワシントンら米国の力技に太刀打ちできなかった。終わってみれば東京五輪女王に0-3の完敗。古賀は「結構、差を感じました」と反省が口をついた。

「オフェンスでスパイカーが工夫して決めたり、プッシュで落としたり。そういう工夫は私たちもしていかないといけない。崩した後のハイボールを決められる。そこはパリに向けて修正すべきところ」

 五輪1次リーグの組み合わせで優位になる可能性がある世界ランク5位以内を目指したが、条件である「セットカウント3-0の勝利」には遠く及ばなかった。相手のパワフルな攻撃陣に目がいきがちだが、日本のスパイクが決まらなかったのも事実。古賀は「ディフェンスが本当に素晴らしい。ポジショニングも私たちの得意コースに入っている。そういう対処をされた時、攻撃陣、特に私が足りなかった」と責任を背負いこんだ。

「私たちのスパイクの効果率が低くて、あっちの思うところにコースをつくられて、思うところにディフェンスに入られた。組織的なディフェンスを敷かれて、好き放題にオフェンスでも(やられた)という感じ。私も含め、スパイカーは外に出すとか工夫していくべきだった」

ネーションズリーグ3週間で感じた精度の低下「週の後半に落ちる」

 大目標の6大会連続五輪出場を叶えたばかり。眞鍋政義監督は五輪の目標について「まだ決めていない」と語ったが、期待されるのは銅メダルだった2012年ロンドン五輪以来のメダルだ。そのためには米国はどこかで立ちはだかる相手。ネーションズリーグを3週戦い、強豪国は実力を発揮し続けた。古賀は「週の後半に精度が落ちる」と課題を口にする。

「1週目、2週目、3週目、どれも週の後半で精度が落ちる。コンビが少しずつ違うとか、スパイカーも少しずつ早く入っちゃってるとか。そういうのが1周目の後半も、2周目の後半も、今日も感じた。それぞれがもっとしんどい体の中でも工夫して、体を動かして点数を獲っていくこと。コンビの精度を上げるのも、サーブで攻めていくのもそう。そこが少し足りなかった」

 この日は25歳のセッター関菜々巳、22歳のOH和田由紀子が途中出場で奮闘した。古賀は「頻繁に人が変わった時に、チームとして一緒に呼吸ができてない。プツン、プツンと切れていることが多い」と全員バレーで戦い抜く難しさにも触れた。

「仕方ないところだけど、途中で交代する選手は緊張するし、ずっと出ているわけじゃないので感覚も苦しい。最初に入っているメンバーが『声を掛けていこう』と話をするのも必要。そこが今日は足りなかった」

 眞鍋監督は「セッターからのスピードが遅くなると米国のブロックに捕まる」と説明。「相手は常にブロックが2枚。あれを破る鉄則はスピード。それに尽きる。あとは正確性。米国に勝つにはサーブで崩して、高いブロックを分散させないといけない」と攻撃陣の課題を挙げた。

 五輪前の国内ラストマッチを終え、20日からのファイナルラウンドに向かう。五輪まで残り1か月半。全てを注ぎ、もう一度ニッポンバレーを作り上げていく。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)