資生堂レディス

 女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディスが27日、神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)で開幕し、ツアー通算23勝の38歳・横峯さくら(エプソン)が3バーディー、ノーボギーの69で回り、3アンダーの8位と好発進した。好調の要因を「ゴルフをホテルに持ち込まなくなった」と明かし、3歳の長男の成長を力に変えている。

 我慢のゴルフをやり切った。出だしの2ホールをパーとして迎えた3番パー4。横峯は第2打を5メートルにつけてこの日初バーディーを奪った。4番でも連続でスコアを伸ばし、12番でも1.5メートルを沈めてバーディー。ノーボギーでホールアウトした。

 今季は3戦目のアクサレディスから10戦連続で予選落ちするなど苦戦したが、その後は3戦連続で予選を通過。「ゴルフ場からホテルにゴルフのことを持ち込まなくなった。子どもと遊んで、オンとオフの切り替えができている」と好調の要因を明かした。

 3歳になった桃琉(とうり)君を伴ってのツアー転戦。「一緒にいたいし、今の時間はすごく大事」とその存在は欠かせない。夫・森川陽太郎氏と決めた方針だ。以前はゴルフと子育ての切り替えに苦労し、夫からは「戦えていない」と言われていた。自身では戦っているつもりだったが、客観的に見ると戦えていないと実感し「『ま、いっか』『しょうがない』という言葉が増えていた」。シビアな女子プロの世界では通用しなかった。

 最近は「意思疎通が図れるようになってきた」と息子の成長に目を細める。日々できることが増えていく姿に「すっごい感動する」と母の笑顔をのぞかせた。「両立は大変だけど、近くで成長を見られるし、その日その日で違う顔を見せてくれる」。過酷なシーズンを戦う中で、かけがえのない癒やしとなっている。

 ゴルフと子育ての両立。「今の若い選手たちがお母さんになった時の選択肢になれば」とベテランとして、後進の道しるべになろうという思いはある。一方では「シードを取りたい」とプロとして結果へのこだわりも強める。息子の成長を見守り、貪欲に自身の成長にも向き合っていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)