買った直後はきれいな状態の冷凍庫ですが、「いつの間にか冷凍庫内が霜だらけに…」というケースもあるのではないでしょうか。冷凍庫についた霜は、そのままにしておくと、思いもよらぬデメリットにつながることもあります。

そこで今回は、冷凍庫の掃除や霜取りの方法について詳しく解説します。冷凍庫を楽に掃除できる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

冷凍庫をこまめに掃除するメリット

冷凍庫をこまめに掃除するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

・臭いや雑菌の発生を防げる
・霜がつくのを防げる
・食品を整理できる

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

においや雑菌の発生を防げる
冷凍庫をこまめに掃除することで、においや雑菌の発生を防げます。

「冷凍庫に入れておいた食品に特有のにおいが移ってしまった」という場合、庫内の食材やビニール、プラスチックなどの劣化が主な原因です。また、冷凍庫内や製氷皿の掃除をしないまま放置すると、低温の環境下でも雑菌・カビが発生しやすくなります。

庫内の衛生を保ち、悪臭を防ぐためにも、定期的に冷凍庫内を掃除することが大切です。

霜がつくのを防げる
食品を凍った状態で保存する冷凍庫内は、扉の開閉によって暖かい外気に触れると結露が発生しやすい環境です。庫内についた結露は冷凍庫内で再び凍り、蓄積して霜となります。

冷凍庫の霜は放っておくと、扉の開閉がしづらくなったり、運転効率が悪くなったりするので、定期的なお手入れで防ぎたいところです。

食品を整理できる
掃除のついでに、庫内の食品を整理できるのもメリットの一つです。

一般的に冷凍庫の掃除は、庫内のものを一旦外に出して行うのが効率的とされています。この際、奥に入り込んで賞味期限切れになった古い食品などを発見できます。

冷凍庫で保存する食品は、基本的に腐敗することはありません。しかし、冷凍庫で長期間食品を保存していると、劣化が進み、食べるのに適さない状態になるので注意しましょう。

冷凍庫の掃除をする方法・手順

冷凍庫の掃除をスムーズに進めるために、事前に必要な掃除道具や手順を把握しておきましょう。ここからは用意する掃除道具から、具体的な手順までを詳しく解説します。

掃除道具を用意する
冷凍庫の掃除に必要なものは以下のとおりです。

・キッチンペーパー
・スポンジ
・食器用洗剤
・除菌スプレー
・綿棒

庫内の汚れを拭き取る道具はキッチンペーパーがおすすめですが、雑巾でも代用可能です。

ただし、庫内の衛生を保つためには清潔な雑巾を用意しましょう。不衛生な雑巾で拭くと、雑菌などが庫内に移り、食中毒などの恐れがあります。

また、綿棒は必須ではありませんが、ドアパッキンなど隙間を掃除するときに便利です。

冷凍庫内を掃除する
冷凍庫内を掃除する際の手順は次のとおりです。

1.コンセントを抜く
2.中身を取り出す
3.トレイやケースを外して水洗いする
4.冷凍庫内に除菌スプレーを吹きかけて拭く
5.取っ手やパッキンの汚れを拭く
6.棚や食材を冷凍庫に戻す
7.外側も除菌スプレーを吹きかけて拭く

掃除中は保存していた食品を一時的に外に出すことになるので、掃除は庫内の食品が少ないタイミングで行うのがおすすめです。

冷凍庫内を整理する
冷凍庫内の掃除と同時に、庫内の食品やトレイを整理しましょう。保存していた食品の賞味期限や食材の状態を確認し、不要なものは処分します。前述のとおり、冷凍している食品は腐敗することはありませんが、長期間冷凍していると変色・変質するので、注意深くチェックしましょう。

また、冷蔵室はものを詰め込みすぎると冷気が循環せずに運転効率が悪くなりますが、冷凍室はたくさんものを詰めても、運転効率は変わらず、庫内の温度も安定しやすいとされています。とはいえ、無秩序に詰め込むと古い食品が奥に入り込んでしまうので、きちんと整理整頓は行いましょう。また、詰め込みすぎると冷蔵庫が密閉できなくなり、故障の原因にもなるため注意が必要です。

庫内に食品を戻す際に種類や用途に応じて収納場所を決め、賞味期限が早いものを手前に入れておけば、食材を無駄にせずに済みます。整頓グッズなどの活用もおすすめです。

冷凍庫の霜取りをする方法

冷凍庫についてしまった霜は硬く、なかなか取りづらいものですが、方法次第では楽に掃除できます。また、霜取りをする際は、食品を一時的に保管するためのクーラーボックスを用意しておくといいでしょう。

温めたタオルで拭く
冷凍庫に入っている食品をクーラーボックスに移したら、まずは40度ほどのお湯とタオルを用意しましょう。

タオルをお湯にひたしたら絞り、温かいうちに霜を拭き取ります。1回で霜が取れない場合は、タオルを温めなおしながら、何度か同じ工程を繰り返しましょう。

霜が取れたら、乾いたタオルで水分を完全に拭き取って仕上げ、クーラーボックスの中身を戻して完了です。

常温にして溶かす
霜が厚くついている場合は、温めたタオルだけでは取り切れないことがあります。その場合は、冷凍庫を空にしてから電源プラグを抜き、一旦冷凍室を常温に戻して霜を溶かすのがおすすめです。

出した食品はクーラーボックスなどに入れ、傷まないように保管しましょう。霜が溶けてきたらタオルで拭き取り、仕上げに乾拭きをして水分を完全に取り去ります。

ただし、霜を早く溶かしたいからとドライヤーなどの熱風を当てることは、冷凍庫の故障につながりかねません。

へらを使って削り落とす
霜が厚すぎたり室温が低かったりして、常温でも霜がなかなか溶けない場合は、へらを使って削り落としましょう。

へらは、プラスチック製やシリコン製などの柔らかい素材のものを使います。氷を削る道具にはアイスピックもありますが、鋭すぎて冷蔵庫内を傷つける恐れがあるため、おすすめできません。庫内の壁面が傷つくと、やはり冷凍庫の故障につながることもあるので注意しましょう。

冷凍庫の掃除を楽にするには?

冷凍庫の掃除を楽にするには、霜がつきにくいようにあらかじめ対策しておくことも大切です。霜を防ぐための方法を2つ紹介します。

霜防止シートを使う
冷凍庫内に霜防止シートを敷いておくと、霜がつきにくくなります。霜防止シートは合成樹脂素材でできており、シート状なので庫内のサイズに合わせてカットできます。

ただし、霜防止シートを使っていても、霜がついてしまう場合もあります。それでも、未使用時に比べて霜が取りやすくなるため、掃除が楽にできて便利です。

間冷式の冷蔵庫を選ぶ
冷蔵庫には直冷式と間冷式の2タイプがありますが、霜を防止したい場合におすすめなのは間冷式です。

間冷式は庫外で冷却した空気をファンで庫内に送り込む仕組みで、空気が循環しているため、霜がつきづらいのがメリットです。また、自動で霜取りする機能を持つ製品もあるため、掃除の手間を省きたいなら高機能の冷蔵庫を選びましょう。

ただし、間冷式の冷蔵庫は中型〜大型が多く、値段も高い傾向にある点は留意しておく必要があります。

まとめ

冷凍庫の掃除や霜取りは、庫内のにおいや汚れを防止し、食品の保管場所を衛生的に保つために大切なお手入れです。また、冷凍庫内の食品を定期的にチェックできるため、食品を無駄なく管理できます。

冷凍庫の掃除に時間を割けない場合には、記事内で紹介した霜防止シートや、間冷式の冷蔵庫などの購入も検討してみましょう。