共働きの夫婦が生活費として家に入れるお金は実際にはいくらくらいなのでしょうか。国の統計データをもとに、生活費にかかるお金の目安を紹介します。共働き夫婦に多く見られる家計管理の3パターンの特徴、理想的な家計管理の方法、効率よく貯蓄するコツなどもあわせて解説します。

夫婦の生活費として家に入れるお金はいくら?

夫婦が生活するのにかかるお金は月々いくら必要なのでしょうか。夫婦それぞれが働いている場合、お互いの収入の全額を生活費に回すとは限りません。それらの収入のうち、どの程度を家に入れているのか、平均的な生活費はどのくらいなのか解説します。

一世帯あたりの生活費の平均は?

総務省統計局の勤労者世帯を対象にした2020年の調査によると、二人以上で生活する世帯の1ヶ月あたりの消費支出は、少ない月で約28万円、多い月では約33万円となっています。世帯主の平均年齢は50歳前後、世帯の構成人員は約3人となっているため、子どもがいる世帯も多く含まれていると推測されます。

これらのデータは、あくまでも全国平均であって、生活費は世帯主の年齢や収入金額、住んでいる地域、子どもの有無や子どもの年齢、ひとり親世帯などの諸条件によってもかなり変わってくるでしょう。ただし、データでは世帯の有業人員(勤め人、自営業者、家族従業者、内職従事者などの人数)が約1.8人であるため、世帯主以外にもう1人働いている家族のいる世帯が多いことがわかります。

夫婦一人あたりで家に入れるお金はいくらが目安?

消費支出の統計データを参考にした場合、夫婦の共働き世帯が家に入れるお金は、二人が同額をいれるとすると一人あたり月に14〜17万円程度になります。それぞれの収入に差がある場合は、収入の多いほうが生活費を多く家に入れているケースもあるでしょう。

夫婦によっては、一方のみが生活費を負担し、もう一方の収入を貯蓄に回すケースもあります。一人分の収入のみで家計がやりくりでき、もう一方の収入は、住居購入の頭金や子どもの教育費として貯めるなど、ライフイベントに合わせた計画的な資産運用が可能です。

出典:家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)|総務省統計局

家に入れるお金(生活費)はどう管理する?

夫婦それぞれに収入がある場合、家に入れるお金(生活費)はどう管理すればいいのでしょうか。さまざまなパターンについてメリットや注意点を解説します。

夫婦で共通のお金のみ管理する

生活費を夫婦二人で管理するパターンでは、夫婦であらかじめ決めておいた一定額を家に入れて、共通の生活費として二人で管理する方法があります。。家に入れる生活費以外は、それぞれが自分の自由になるお金として管理できます。ただし、世帯全体の貯蓄額がいくらあるのかを把握しにくくなるため注意が必要です。

このパターンは、二人とも同じくらいの収入がある場合に実行しやすい方法です。収入額が異なる場合は、収入に対して同程度の比率で配分すれば、不満も生じにくいでしょう。

夫がメインで家庭のお金を管理する

二人の収入の中から一定額の生活費を家に入れて夫が管理するパターンもあります。生活費を毎月一定の範囲内でやり繰りし、残りの収入を貯蓄に回せるため、目標金額を設定して効率的に貯めたい場合におすすめできる方法です。

ただし、お金の管理は夫がメインで行うため、夫の収入金額を妻が知らない場合、妻がいくら節約してやり繰りしても、夫が無駄遣いをしているのではとの疑念が生じる可能性があります。世帯全体のお金の動きが把握しにくいこともデメリットでしょう。

妻がまとめて夫婦のお金を管理する

妻が二人の収入をまとめて管理し、夫に毎月お小遣いを渡すパターンも、共働き・片働きともによく見られる家計管理の方法です。妻にとっては家計をコントロールしやすいですが、夫にしてみれば家計が把握しにくくなります。妻に家計管理を任せ、あまり監視したり口出ししたりしない人もいるでしょう。

節約意識が高い妻がメインで家事をしている場合は、食費や光熱費などの節約効果が出やすいといえます。そうでない場合は気がついたら貯蓄が目減りしていたという事態もあり得るため気をつけましょう。

夫婦で家計を管理するコツ

共働きでありながら思ったように貯蓄が増えない、無駄な出費が多いと感じている人もいるかもしれません。そのような場合、今までの家計の管理方法を見直すことも重要です。そこで、次に、夫婦でお金を管理するコツについて紹介します。

お互いに家計の収支を把握する

共働き世帯で陥りがちなのが、家計の管理をどちらか一方に任せたために、世帯全体の収支が把握できなくなるケースです。お互いの収支の不透明さをなくし、毎月の収支を把握できるようにしておくことが健全な家計管理には不可欠といえます。

夫婦で家計全体の状況を把握するためには、無料や安価で利用できる家計簿アプリがおすすめです。現在の家計状況をリアルタイムで把握でき、将来的な資金計画が簡単に試算できるアプリや、レシート読み取り機能で入力が簡単にできるアプリもあります。

毎月決まった金額を貯蓄に回す

共働きの場合、ある程度自由になるお金があることから、生活費として余裕をもった予算で計上している家庭もあるでしょう。そのため、なかなか思うように貯蓄額が増えていかないケースもあるようです。

総務省統計局の2020年の調査によると、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の年間の預貯金額の平均は約188万6,000円です。この預貯金額は、世帯の全体収入に対して約30% の割合となっています。無理なく貯蓄できる目安として、夫婦の収入の30% 程度を貯蓄に回すとよいでしょう。

使わずに残ったお金を貯蓄に回す家庭もありますが、消極的な方法では貯蓄はなかなか増えず、資金計画も立てられません。あらかじめ世帯収入の30% 程度の一定額を自動積立で貯蓄に回すと確実に貯められ、資金計画も立てやすくなります。ただし、途中で収入の増減があれば貯蓄額は適宜見直してください。

出典:家計調査(家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)|総務省統計局

将来必要になるお金について話し合う

お互いに必要な生活費だけを家に入れて、残りはそれぞれ自分で管理する場合、そもそも世帯として必要になる資金準備のための計画的な貯蓄ができません。家計の管理とは、毎月の収支を記録したり、生活費を予算内でやり繰りしたりするだけではありません。日々の生活も大切ですが、家計管理の大前提として、マイホームの購入準備、子どもの教育資金、車の買い替え、老後の備えなど、中長期的な資金計画が重要です。

まずは、何にいくら必要なのか将来支出するお金について具体的に話し合い、計画を共有することが大切です。そのうえで、貯蓄方法を検討し計画的に準備するとよいでしょう。

大きな支出の一般的な費用の目安を紹介します。住宅ローンを組む際の頭金は、住宅購入費の8〜19% を目安とするケースが多いです。子どもがいる場合は、大学進学に必要な学費として、子ども一人あたり最低でも400万円程度は必要になるでしょう。また、老後に夫婦で必要な生活資金は月々23万5,000円程度が目安です。退職金や勤労所得、年金でまかなえない分は貯蓄しておく必要があります。

出典:高齢者の生活実態|厚生労働省

まとめ

夫婦共働きで世帯の生活費を賄う場合、平均で一人あたり月14〜17万円を負担していることがわかりました。ただし、それぞれの年齢や収入によっても生活費は異なりますし、世帯の構成や人数、住宅の有無などによっても変化します。

家庭で大きな出費が必要となるそれぞれのライフイベントで心細い思いをせずに済むよう、計画的に資金を準備しておきたいものです。そのためには、生活費や貯蓄などの家計管理はどちらかに任せることなく、長期的な視野をもち夫婦でよく話し合って決めることが大切です。