米マイクロソフト(MS)は20日、人工知能(AI)機能を使いやすくしたパソコンの新製品「コーパイロット+PC(プラス・ピーシー)」を発表した。「副操縦士」を意味する「コーパイロット」と呼ばれる支援機能を通じて、過去の作業を簡単に振り返ることができる。価格は999ドル(日本は税込み20万7680円)からで、6月18日に発売する。

 「リコール」という機能を使えば、自分がパソコンの画面上で作業していたメールや文章や、閲覧していたウェブサイトなどを簡単に探し出すことができる。また、40以上の言語の動画の音声に、リアルタイムで英語に翻訳して字幕をつける機能も導入するという。

 米半導体大手クアルコム製のチップなどを搭載し、処理速度を従来より最大20倍に高めた。チャットGPTなどの生成AIは、ネット上のクラウドサービスを通じて利用することが多いが、MSが発表したパソコンは端末上でAI機能を処理でき、処理の遅延などを減らしたという。

 ラップトップ型の「サーフェス・ラップトップ」とタブレット端末「サーフェス・プロ」を発売する。米デルや韓国サムスン電子などもMSの新機能を搭載したパソコンを販売する予定だ。

 サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は20日の発表会で「コンピューターが我々を理解するだけでなく、我々が望むものを予測できる新たな時代に入っている」と話した。

 MSは対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」を運営する米オープンAIに出資しており、同社の技術をMSの幅広い製品に導入している。(サンフランシスコ=五十嵐大介)