【山形】今年のサクランボの作柄について、県や農協などでつくる調査委員会は21日、「やや少ない」との見込みを発表した。収穫量は1万2100トンで、前年比93%、平年比91%と予想した。実がくっついて規格外となる「双子果(ふたごか)」が例年より多い。

 調査は17日、村山、置賜両地方の48園地で「佐藤錦」と「紅秀峰」の主力2品種を対象に行われた。

 全体の予想収穫量は平年並みだが、規格外の双子果は取り除かれるため、実際は平年を下回る見込みと判断した。サクランボは花芽が分化する前年の夏が高温になると、双子果になりやすい。今季は例年より多い傾向で、その割合は紅秀峰のほうが大きいという。

 さらに、開花期の高温や乾燥の影響でめしべに花粉がつきにくかったこと、花粉を運ぶミツバチなどの活動が不十分だった園地があったことも影響しているとみる。

 収穫の盛期は、佐藤錦が6月13〜17日ごろ、紅秀峰が同20〜25日ごろで、ともに平年より5〜7日早いと予想する。(高橋昌宏)