岡山県警岡山南署から証拠品の現金が盗まれた事件で、県警は19日、窃盗罪などで起訴された岡山南署刑事2課巡査長の松岡和寛被告(32)を同日付で懲戒免職処分とした。2020年11月に同県総社市内の住宅から現金100万円を盗んだ疑いがあることなども新たに判明した。

 監察課によると、松岡被告は昨年7月21日〜10月7日、岡山南署の金庫から証拠品として保管されていた現金計326万6千円を盗んだ。また当時住んでいた警察官舎の管理費の通帳から計7万5千円を横領し、発覚を逃れるため通帳の金額欄などを書きかえた。また昨年10月には業務で訪れたことのある民家から通帳などを持ち去ったという。

 窃盗などの疑いで逮捕、起訴されているが、県警は今回の処分理由で新たに2件の窃盗事件に関わっていたことを明らかにした。昨年9月24日午後10時ごろ、捜査で訪れた岡山市内の家から現金5万円を盗んだ疑いがあるほか、20年11月17日午前0時ごろ、総社市内のすでに死亡していた人の家から、職務時間外に現金100万円を盗んだ疑いがある。県警はいずれも追送検し、一連の捜査を終えたとしている。

 松岡被告は「警察官でありながら犯罪を犯し、大変申し訳ありませんでした」と話しているという。

 県警は、岡山南署の窃盗事件に絡み、金庫の鍵を適切に管理していなかったとして、上司の警部(42)も戒告の懲戒処分とし、発表した。

 このほか、監督上の責任があるとして、警部補(44)を所属長訓戒、行政職員(58)を所属長注意、警視3人などを口頭厳重注意とした。

 川口晃警務部長は「組織として重く受け止め、深くおわび申し上げます。職員に対する指導や管理を徹底し、信頼回復に努めます」などとする談話を発表した。(北村浩貴)