栃木県那須町の河川敷で16日、男女2人の焼損した遺体が見つかった事件で、死体損壊容疑で逮捕された男が事件前夜、自分の車を別の2人に渡していたことが捜査関係者への取材で分かった。この車は栃木県内を16日朝に走行しており、車内から被害者のDNA型が検出された。

 警視庁と栃木県警の捜査本部は、この2人が何らかの事情を知っているとみている。逮捕された男は事件に使われたガソリンなどを準備しており、「ある人物から数日前に指示された」と供述。捜査本部は計画的な犯行とみて調べる。

 建設業の平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)は会社役員の宝島龍太郎さん(55)=東京都千代田区=と妻とみられる女性の遺体に火を付け、損壊したとして21日に逮捕された。

■「ニックネームしか知らない」

 捜査関係者によると、平山容疑者は事件発覚前日の15日午後9時半ごろ、自分名義の黒のセダンタイプの車を運転し、東京都品川区のコンビニエンスストアを訪れていた。その際に2人の人物と合流しているのが、防犯カメラ映像などから確認された。平山容疑者は徒歩で立ち去り、2人が乗った車はコンビニを出たという。平山容疑者は2人について「知人ではあるが、ニックネームしか知らない」と話しているという。

 車は16日午前4時ごろに栃木県内を走行していた。捜査本部が18日に押収して調べたところ、後部座席とトランク内には血痕があり、鑑定の結果、死亡した女性のDNA型と一致した。後部座席には宝島さんの妻の免許証や結束バンド、粘着テープもあったという。