26日午後1時20分ごろ、奈良市尼辻北町の近鉄奈良線西大寺車庫で、車庫に向かう電車(6両編成)が脱線した。電車は天理発の急行で、終着駅の大和西大寺ですべての乗客を降ろし、乗っていたのは運転士1人のみで、けが人はいなかった。

 近鉄によると、脱線したのは最後尾の6両目で、運転士から「脱線しています」と運転指令に連絡があったという。脱線した原因は調査中としている。

 この脱線事故の影響で、西大寺車庫の線路の一部が使用できなくなり、近鉄は午後6時時点で、奈良線、橿原線、天理線、京都線の一部区間で、遅れや運休が生じている。

 国土交通省近畿運輸局によると、近鉄では昨年5月、大阪府八尾市山本高安町の近鉄大阪線高安車庫でも入庫する電車(8両編成)の脱線事故が発生していた。同局鉄道部安全指導課は、今後、近鉄から事故原因や再発防止対策の聞き取りなどをする予定としている。(佐藤道隆、仙道洸)