裁判で「公文書」とされた橋下徹・元大阪市長と市職員とのメールを巡り、市が「存在しない」と開示を拒んだのは違法だとして、弁護士が市に200万円の賠償を求めた訴訟で、橋下氏の証人尋問が26日、大阪地裁であった。橋下氏は「政策決定過程のメールは保存していた」と証言した。

 橋下氏は原告側の証人として出廷した。府知事時代から引き続き、日常的に職員と一対一でメールを交わしていたと説明。「パワハラや上司への愚痴といった私的な相談が圧倒的に多かった」とし、「センシティブなメール」はすぐに削除したという。一方で、一対一のメールでも政策決定に関わるメールは保存用フォルダーに送り、原則公開としたと証言した。

 原告は情報公開に取り組む服部崇博弁護士で、2013年にメールの開示を求めたが、市は「公文書ではない」と不開示に。開示を求める裁判を起こし、「公文書」と認める司法判断が18年に最高裁で確定。改めて開示を求めると、「メールは存在しない」と回答されたため、21年に再び提訴していた。(大滝哲彰)