東京電力が福島第一原発事故後の2012年に設置した有識者らによる「原子力改革監視委員会」の委員に、今年4月に就任したチャールズ・カストー氏が柏崎刈羽原発(新潟県)を視察した。同氏は米国原子力規制委員会(NRC)の元上級幹部職員。報道陣の取材に、「7号機の再稼働の準備は順調に進んでいるとの印象を受けた」と語った。

 監視委(委員長・デール・クライン元NRC委員長)は、福島事故後の安全対策や企業風土の改善に向けた取り組みを継続的に監督し、経営陣に提言している。

 カストー氏は13日に柏崎刈羽原発に入り、最終日の17日は5号機の建屋にある「緊急時対策所」で、強い地震で7号機に重大事故が起きた事態を想定した訓練の様子を視察した。

 その後、取材に応じたカストー氏は「訓練は厳しい設定だったが、とても良かった」と評価。「東京電力の安全性は非常に高いレベルに達している。再稼働の準備を妨げる要素は一切ないと感じている」と重ねて強調した。(戸松康雄)