松山市内で19日深夜、航空機の低空飛行とみられる爆音が響いたと愛媛県や市に通報が相次いだ。県内の自治体には昨年度、米軍機による低空飛行の目撃情報などが75件寄せられており、県が確認を進めている。

 県行政経営課などによると、松山市民らが「19日午後11時から20日午前0時にかけて3回爆音が聞こえた」などと通報。20日午後5時までに、電話やメールで14人から情報が寄せられた。米軍機3機が上空を通過した可能性があるという。

 米軍は今月中旬、九州沖での空母着艦訓練や岩国基地の時間外使用を、防衛省中国四国防衛局や山口県岩国市に連絡した。岩国市は18、19日、午後11時以降に基地周辺で騒音が発生したことを測定器で確認している。

 愛媛県によると、米軍機とみられる低空飛行の目撃情報は、2020年度は過去最多の346件、21年度は240件寄せられた。22年度は69件と大きく減ったが、23年度は再び増加に転じた。中村時広知事は今年3月、防衛相と外相に対し、県民が不安を抱くような飛行の速やかな中止を米軍に申し入れるよう要請した。(戸田拓)