「おばちゃんだけとちゃうで!」――。ヒョウ柄「発祥の地」とも言われる大阪・新世界(大阪市浪速区)で、参加型のファッションショーが19日、初めて行われた。若い世代にもヒョウ柄の魅力を広げるのが目的だ。

 「ヒョウ柄ジャック」と題した今回の企画には、商店街の関係者らが募った小学3年生から30代までの19人が集まった。それぞれヒョウ柄を大きくあしらったトップスを黒のボトムスなどと組み合わせた衣装で登場。通天閣前の商店街通りでは、多くの観光客らが見守るなか、約100メートルを縦一列で練り歩いた。

 企画したのは、新世界を拠点に活動するデザイナーの高橋輝明さん(42)。参加者から届いた普段の写真を参考に、母の真由美さん(72)が店主を務めるアニマル柄専門店「なにわ小町」で扱うヒョウ柄の服やアイテムなどを、一人ひとりコーディネートした。

 高橋さんはヒョウ柄の魅力を「パワフルでテンションが上がり、レトロだけどまだまだ未完成なところ」で、「その特徴が新世界の街にそっくり」と話す。街と一体化したファッション文化をつくり、東京の「港区女子」に対抗した「新世界女子」を生み出したい、と思いはふくらむ。

 次回からは誰でも参加できる体験型イベントとして定着させ、年に数回開いていく予定。高橋さんは「ゆくゆくは何百、何千のヒョウ柄で街を埋めつくす企画に育てたい」と話した。(黒田陸離)