環境省の前田光哉審議官(水俣病担当)は21日、新潟市内で新潟水俣病の患者団体と面会し、伊藤信太郎環境相が今国会の閉会後、患者らと懇談する機会を設ける意向だと伝えた。懇談は団体側が求めていたもので、具体的な日程は今後調整するという。団体側によると、環境相と新潟水俣病の患者団体が話し合う定例的な機会はなく、実現すると9年ぶりだという。

 患者団体側は今月31日に新潟市内で予定されている、新潟水俣病の歴史と教訓を伝える県主催の式典に伊藤環境相が出席し、その後、懇談の場を設けるよう求めていた。21日の面会で前田審議官は、31日の式典には国定勇人政務官が出席する方向で調整していると伝えた上で、伊藤環境相について「別に新潟の皆さんの声を聞く機会を持ちたいと考えている」と述べた。

 伊藤環境相は今月1日に熊本県水俣市であった患者団体との懇談の際、環境省担当者が団体側の発言中にマイクを切ったことについて、団体側に謝罪、懇談の場を再設定するとした経緯がある。熊本での懇談について、前田審議官は「不適切な運営だった。水俣病の関係者におわび申し上げる」と陳謝した。(鈴木剛志)