鳥取県立図書館など県内4施設が所蔵する貴重な資料をネット上で誰でも閲覧できるシステム「とっとりデジタルコレクション」のアクセス件数が増え続けている。開設から3年余りで累計100万件を突破し、担当者は「予想を超える閲覧数」と驚く。

 4施設は県立の図書館、博物館、公文書館と県埋蔵文化財センター。システムは2021年3月に公開され、現在は計66万件のデジタル化された資料を閲覧できる。

 図書館によると、アクセス件数は21年度が約19万8千件▽22年度は約28万8千件▽23年度は約45万3千件と増え続け、今年5月5日に累計100万件を超えた。アクセスが多いのは、鳥取駅前など県内の特定の場所を数年ごとに撮影した博物館所蔵の地上定点写真▽図書館が所蔵する絵図や地図▽公文書館の災害関係の古い写真や記録といった資料だという。

 各施設側で閲覧者や利用目的は把握していないが、今年4月に刊行された鳥取市出身の俳人、尾崎放哉(1885〜1926)のフランス語翻訳の俳句集に肖像写真などが掲載されるなど、公開資料の活用例は広がっているとみられるという。

 図書館は今年3月、県内の自然や災害、伝統的な祭りなどテーマごとに公開資料を紹介するウェブ上の手引を公開した。担当者は「夏休みの宿題など子どもたちにも使ってもらえるよう、広く知ってもらう活動に今後も力を入れていきたい」と話している。

 「とっとりデジタルコレクション」(https://digital-collection.pref.tottori.lg.jp/)で検索。トップページからキーワード検索機能で資料を探すことができる。システムに関する問い合わせは図書館(0857・26・8155)、所蔵資料については各施設へ。(富田祥広)