大雨が降った時に自宅がどれぐらい浸水するリスクがあるか。奈良県は15日からウェブ上で「災害リスク情報システム」でデータの公開を始めた。県内全域を5メートル四方ごとに網羅した充実の内容だ。

 従来のシステムは河川ごとにファイルを開く必要がある上、浸水の詳しい深さまではわからなかった。新システムは、地図上でポイントを指定すれば、複数の河川の浸水の恐れが、ミリ単位で確認できる。

 土砂災害警戒区域も同時に表示でき、全国に先駆けたシステムという。県内は昨年2回にわたり線状降水帯が観測され、大雨に見舞われた。記者会見で発表した山下真知事は、「自宅から離れた川でも浸水のリスクがあるとわかる。認識がなければ避難に結びつかない。避難指示が出たら機敏に対応してもらえるようになれば」と期待を寄せた。

 河川整備課の担当者は「大和川流域では158の河川が網の目のように流れており、大和平野では複数の河川が氾濫(はんらん)する可能性がある。県南部の紀の川沿いなどは山と川、両面のリスクがある。まずは知ってほしい」と話す。

 システムはサイト(https://www1.nara-saboinfo.jp)で見ることができる。(机美鈴)