イラストレーターや漫画家が岐阜県内の酒蔵をテーマに描いた企画展「岐阜の日本酒イラスト展」が17日まで、岐阜県大垣市郭町の飲食店「BakeA」で開かれている。アニメ風のキャラクターやコミカルに描いた作品など15点が並ぶ。企画したイラストレーターのささつゆさんは「推しキャラを見つけ、お気に入りの日本酒を楽しんでほしい」と話す。

 国税庁によると、2021年度時点で県内には全国で6番目に多い42の酒蔵がある。

 揖斐川町出身のささつゆさんは、広告会社勤務時代に酒販店のチラシ制作を担当したのがきっかけで日本酒に興味を持ち、その世界に魅了された。2010年にフリーのデザイナーとして独立。イラストや漫画の制作をしながら、日本酒の消費拡大のため、日本酒情報の同人誌を手がけてきた。

 昨年11月、故郷の揖斐川町へ戻り、「岐阜の日本酒をもっと多くの人に知ってもらいたい」と考え、企画展の開催を呼びかけた。親交のあるイラストレーターや漫画家ら県外の3人を含む14人が協力。実際に杜氏(とうじ)から話を聞いたり、酒蔵を見学したりするなどして作品を完成させた。

 登場する酒蔵は、武内酒造(大垣市)▽渡辺酒造醸(同市)▽三輪酒造(同市)▽大塚酒造(池田町)▽所酒造(揖斐川町)▽日本泉酒造(岐阜市)▽白木恒助商店(同市)▽御代桜醸造(美濃加茂市)▽千古乃岩酒造(土岐市)の9蔵。

 作品は、酒蔵の外観や販売コーナーなどを背景に個性的なキャラクターが、その酒蔵を代表する銘柄の瓶などを手にしている。

 池田町のイラストレーター如月れいなさんは女性キャラクターと大塚酒造の「竹雀」、岐阜市の漫画家でイラストレーターの由愛乃ナカさんは戦国武将をイメージしたキャラクターと日本泉酒造の「織田信長」を描いた。

 ささつゆさんは「イラストが日本酒に興味を持つきっかけになればうれしい。個性的なキャラクターと同じくらい日本酒にも味の個性があり、ぜひ酒蔵を訪れてみてほしい」と話す。今後は岐阜県以外の日本酒イラストの制作にも取り組むという。

 イラスト展は入場無料だが、ワンドリンク制で飲み物を購入する。(松永佳伸)