28日午後8時ごろ、奈良県生駒市辻町で住宅地の裏山が崩れ、住宅の1階の1室に土砂が流れ込んだ。県警生駒署によると住宅には3人がいたが、避難して無事だったという。

 近畿日本鉄道によると、ほぼ同じ時刻に、けいはんな線の生駒―白庭台間の線路に土砂が流入しているのを運行中の列車の運転士が見つけ、停止した。約200人の乗客らは線路上などを歩いて避難したという。

 同線は長田―学研奈良登美ケ丘間の上下線で、終日運転を見合わせた。

 生駒市消防本部によると、被災したのは計6世帯で22人の住民は全員無事だった。その後、周辺の13世帯に市から避難指示が発令されたという。

 現場周辺では夜にも雨が降っていた。

 土砂が流れ込んだ家に住む50代の女性は、外出中に隣人からの電話で土砂崩れが起きたことを知り、急いで家に戻ったという。「崩れるとは思っていなかった。どうなるのかな」と、不安そうに話した。(大野博、仙道洸)