「お冨士(ふじ)さん」の名で親しまれている十条冨士神社(東京都北区中十条2丁目)の大祭が30日、始まった。7月1日の富士山の山開きに合わせたもので、多くの参拝客らが富士山に見立てた高さ約6メートルの「十条冨士塚」に登っていた。1日まで。

 江戸時代に造られた冨士塚は、富士山を模すように溶岩が配され、頂上には富士山のご神体の分霊をまつる石祠(せきし)が置かれている。大祭の日にお線香をあげて「登頂」すると、富士登山と同じ御利益があると言われている。

 今年は、都道の拡張工事に伴う冨士塚の再整備が完了し、初めてとなる大祭。祭礼委員長の高木清貴さん(71)は「地域の人に愛されてきたお冨士さんを楽しんでもらえたら」と話していた。(石平道典)