広島国税局は1日、相続税と贈与税の算定基準となる鳥取県内の路線価の2024年分(1月1日時点)を発表した。標準宅地の平均変動率は前年より0・2%減で、15年連続の下落。下落幅は23年の0・3%減から縮まったが、島根県(0・1%減)とともに、中国5県の平均(1・5%増)とは対照的な結果となった。

 路線価の評価(調査)対象は民有地の宅地、田、畑、山林など。このうち宅地は建物の敷地となる土地で、評価の基準として前年から継続して選んだ標準宅地は県内に1548地点ある。

 価格が前年より上がったのは318地点(23年は1529地点のうち106地点)、下がったのが397地点(同356地点)、横ばいが833地点(同1067地点)。上昇地点が増え、横ばい地点が減ったことが目立つ。

 鳥取県不動産鑑定士協会の村上保雄会長は、「山陽に比べ山陰には新型コロナの5類移行やインバウンドによる経済の効果が届いていない」と分析。そのうえで、「県内でも住宅地は徐々に広範囲に、上昇の影響が広がりつつある」と話す。

 県内の路線価の最高は鳥取市栄町の若桜街道通りで24年連続。1平方メートル当たり9万4千円で23年から3・1%下落した。下落は3年連続。都道府県庁所在地別の最高路線価の順位は全国47位で、13年連続で最下位だった。(清野貴幸)