能登半島地震の被災地を支援しようと、長野市内でバンド活動をしている音楽クラブが6月29日、チャリティーコンサートを開いた。現地でボランティアを経験したメンバーが「一日も早く日常に戻ってほしい」との願いを込めた。

 60〜70代のメンバー9人で活動している音楽クラブ「イースト」が開催した。月1回ほど市内の公民館でテナーサックスやドラムなどを練習しており、創部30周年を迎える。地震から半年となるのを前に企画した。

 部長の丸山幹雄さん(72)は今年3月、石川県にトラックで支援物資を届けに行った。能登町や輪島市では無形文化財の和太鼓や祭りができなくなったと聞いた。日頃から音楽と接してきた丸山さんは「芸能は日常の上に成り立つ。何とか復活して欲しい」と思ったという。

 バンド活動で交流のある、須坂市出身の丸山博司さん(91)に出演を依頼すると、「一日も早く立ち直って欲しいから」と快諾を得られた。当日は「酒とバラの日々」「テネシー・ワルツ」など約15曲を披露した。

 公演で集まったお金は全額、日本赤十字社を通じて被災地に寄付する。(遠藤和希)